決断するのは私
カナコの友人たちは、三者三様の選択をしていました。夫とはレスだったものの、妊活を始めたマリカ。彼氏との結婚にはこだわらず、推し活を謳歌するハルミ。産後3カ月で職場復帰した、バリキャリのサキ。
自分の道を選び、次のライフステージに移っていく。そんな彼女たちの姿を目の当たりにしたカナコは、「もし私が...」と自身に置き換えて「自信なし...」と打ち消し、悶々とします。
最近は「子どもまだ?」と周囲から聞かれることもありません。それはそれで気が楽な反面、もうそういう年齢ではなくなりつつあるのだと、現実を突きつけられている気もするのでした。
いい大人の私には もう誰も「産むのが当然」とか「早く産みなさい」って言ったりしない
私は私の責任で 自分で決断しないと 誰も後押しはしてくれないのだ
ただ、一人で悩んで解決できることではありません。夫の本音。母親が自分を産んだ理由。友人たちの価値観。そうしたものに触れる中、心境の変化があったカナコ。前向きな気持ちで、次のライフステージへ進むことにして――。
誰かとくらべて焦ったり、選んだ道の途中で迷ったり。彼女たちの心の動きは、身に覚えのあるものでした。センシティブなテーマに真正面から向き合った本作。リアルの世界では、親しい間柄でも共有しづらいことってありますよね。こういう話をしたかったんだよ、と思いながら前のめりになって読みました。分岐点に立ったとき、どうしたらいいか「わからない」のはごく自然なこと。カナコのようにじっくりと、自分の道を選んでいきたいですね。
画像提供:KADOKAWA
(東京バーゲンマニア編集部)
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