「パラベンフリー」と「お肌に優しい」、「安全」というイメージは正解なのか?
ここまでパラベンを化粧品に配合するメリットについてお話ししましたが、それではなぜ「パラベンフリー」の商品が、「お肌に優しい」「安全」というイメージに繋がるのでしょうか。
それはパラベンが持つ殺菌作用が、皮膚刺激に繋がる可能性があることに関係していると思われます。確かにパラベンが配合されている化粧品を使用して、赤みが出るといったアレルギー反応などを引き起こす人もわずかながら存在します。
しかし、古くからパラベンは化粧品に配合されてきた成分で、長年の様々な研究の結果、安全性に関する知見が多く得られているのも事実です。
そのためパラベンが配合されているから必ずしも皮膚刺激に繋がり、配合されていなければ皮膚刺激のリスクが下がるとは言い切れません。
注意して欲しいのが、「パラベンフリー」=「防腐剤フリー」ではないということ。化粧品を安全に使うためにはパラベンが配合されていなくても他の防腐剤が配合されている可能性が高く、たとえ防腐剤が使われていなくても、それに代わる作用を持つ成分が配合されていて、安心して使える化粧品の品質が保たれているのです。
パラベンの他に代表的な防腐剤として「フェノキシエタノール」がありますが、この成分にもアレルギー反応を引き起こす人がいます。つまり成分の合う、合わないは個人差があり、防腐剤以外の成分にも人によってもちろん刺激を感じることがあります。
また、パラベンではなく、フェノキシエタノールを配合した場合、パラベンに殺菌力が劣るために化粧品への配合量が多くなるというデメリットがあります。そのためパラベンフリーであることが必ずしもお肌に優しく、安全性を保証するものではないことを理解しておくことが大切です。
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