2022/5/ 4

【アイスコラム】夏に向けての「作りだめ」はしない。「チョコモナカジャンボ」のヒミツ

これまでに5万個以上ものアイスを食べ続けてきたアイスジャーナリストのシズリーナ荒井こと荒井健治です。

4月に入りだんだんと春の陽気を感じられるようになってきました。天気は、我々の過ごしやすさだけではなく、実はアイスの売上に大きな影響を与えていることを知っていますか?

気象データ活用でアイスの需要予測

今年で50周年の「チョコモナカジャンボ」(森永製菓)は20年連続で売り上げを伸ばしていて、2017年から日本気象協会と提携し、その気象データを製造販売に活用しています。

通常のアイスは夏場の需要に向けて数週間前から作りだめしますが、「チョコモナカジャンボ」は作りだめをしていません。競合商品との争いが激化する中、モナカの"パリパリ食感"を重視し、鮮度に注力した製造計画に変更しました。

そこで、大きな壁となったのが、アイスの需要を左右する天候の読み。気象データを活用した結果、大きく需要を見誤ることがなくなったそうです。

ガリガリ君の「ガリ指数」って?

「ガリガリ君」でおなじみの赤城乳業も天気と大きなかかわりを持っています。

サイトイメージ(2021年版)

2006年から夏季限定で、ウェザーマップとコラボしたお天気サイト「ガリ天」を公開しています。昨シーズンは5月10日から10月12日までオープンしていました。

気温や湿度などをもとに北海道から沖縄まで全国142地点の天気予報とともに、ガリガリ君が食べたくなる「ガリ指数」を4段階で表示するガリガリ君欲「ガリ指数」を予想しています。全国の観測地点の最高気温ランキングや、主要都市を対象にした「2週間ガリ指数」も提供することから、熱中症対策にも役立つようです。

余談ですが、アイスメーカーの一部社員は、ゴールデンウィークに入る前の4月28日までに東京・杉並区にある「気象神社」を訪れるといいます。気象神社は全国で唯一の天気にまつわる神社であり、脱雨女を目指しここに来る人も多いという神社です。

照々みくじ

ここでは、「照々(てるてる)みくじ」というおみくじがあり、占い結果は天気で書かれています。アイス業界の大きな売上が天気によって左右されるのがよくわかるエピソードではないでしょうか。

照々みくじ

シズリーナ荒井(荒井健治)

シズリーナ荒井(本名:荒井健治)

アイス現場評論家兼アイス研究家。これまでに5万個以上ものアイスを食べ歩き、年間4000個のアイスを研究する。TV、ラジオなどメディア出演多数。市販アイスのアレンジレシピや企業同士の商品コラボも手がける。著書に「魔法のアイスレシピ」(KADOKAWA)がある。
【Twitter】@sizzleeena/【Instagram】sizzle_feeling426

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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