「体内発酵」という言葉、聞いたことがありますか?
大腸内での発酵を意味する言葉で、大腸内で水溶性食物繊維(菌のエサ)がビフィズス菌や酪酸菌など(善玉菌)に発酵され、スーパー物質の「短鎖脂肪酸」が作り出されること。
「短鎖脂肪酸」は、腸内の有害な菌の増殖を抑制したり、ヒトの免疫反応を制御したりするなど、さまざまな機能があることが知られています。
体内発酵に優れた食材って?
難しい書き方になってしまいましたが、この「体内発酵」が今注目の的なのです。
イヌリア素材事務局が、管理栄養士200名と20代~60代の男女500名の計700名を対象に、体内発酵によって期待する健康効果について聞いたところ、管理栄養士、一般生活者ともに、「免疫力の向上」(76.2%)がトップ。次いで「便通の改善」(54.6%)という結果でした。
さらに、8割以上(81.8%)の管理栄養士が「体内発酵を意識した生活をしたい」と答えています。
そこで、「体内発酵」に欠かせない水溶性食物繊維を上手に組み入れた「体内発酵レシピ」を、管理栄養士の柴田真希さんに教えてもらいました。
毎日の食卓に並ぶみそ汁の簡単アレンジですよ。
かぼちゃたっぷり納豆汁
<材料>※2人分
・納豆 :1パック
・かぼちゃ:60g
・玉ねぎ :1/4個(50g)
・ごぼう :1/5本(30g)
・しいたけ :2枚(20g)
・小ねぎ : 少々
・だし汁 :400ml
・味噌 :大さじ1
<作り方>
1:かぼちゃを小さめの薄切りに、玉ねぎを1cm幅に切る。ごぼうを斜め薄切りに、しいたけを薄切りにする。
小ねぎを小口切りにする。
2:鍋にだし汁を入れて中火にかけ、(1)を入れる。全体に火が通ってきたら、火を止め、納豆を入れ味噌を溶く。
3:器に盛り付け、小ねぎをのせる。
「発酵食品の味噌と納豆、水溶性食物繊維(イヌリン)を豊富に含むごぼうや玉ねぎは、善玉菌×善玉菌のエサとして腸内環境を整えるのに最強の食べ合わせです。かぼちゃに含まれるビタミンエース(A・C・E)は抗酸化ビタミンとして免疫力アップに期待ができますよ」(柴田さん)
納豆は、みそ汁に入れると粘り気が弱まり、食べやすくなるそう。毎日の食卓のアレンジにいいですよね。
柴田さんは、「腸内環境を整え免疫力を高めるには、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維を意識的に摂取して、大腸で短鎖脂肪酸を産生することが大切です」と話します。
水溶性食物繊維の中でも"体内発酵"に優れる「イヌリン」を豊富に含むのは、ごぼう、玉ねぎ、にんにく、チコリなど。皆さんもご参考に!
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。