社長も社員も全員「時短勤務」 「ひとりでため込まない」 子育てママの働き方を「時短社長」が教えます。
【提供:リクルートキャリア】ルバートの代表取締役社長 谷平優美さん
共働き世帯が増えているいま、出産後も子育てをしながら「働きたい」という女性も少なくないのではないでしょうか。
企業の職場環境改善の取り組みを表彰するリクナビNEXT主催の第5回「GOOD ACTIONアワード」を受賞した企業の中に、「子育て中のママ」の働き方のモデルケースとなるような取り組みが評価された会社がありました。
ママ向けイベントの開催、企業とママのマッチングなどを行っている会社「ルバート」(本社・千葉県船橋市)です。社員全員が子育て中の女性で、時短勤務。代表取締役社長の谷平優美さんも現在小学1年生、保育園児の2児を育てながら、会社を経営しています。
いったいなぜこうした労働体制を築けたのでしょうか。谷平さんにその秘訣をうかがいました。
「地獄の日々」から「時短社長」へ
リクナビNEXT主催 第5回「GOOD ACTIONアワード」を受賞
2013年にルバートを設立した当初は仕事と子育ての両立に忙殺される「地獄の日々でした」。谷平さんは子どもを寝かしつけた後、22時~深夜2時ごろまで働いていたそうです。
「昔は帰宅してもずっとパソコンを触っていて、家族にも負担をかけ、夜中までずっと仕事をしていました。今はほかの社員と同じような働き方で、"時短社長"をなんとか実現したという感じです」
現在は17時の子どものお迎えに間に合うように退社。仕事を家に持ち帰ることはほとんどない生活を送っています。さらに家庭をうまく巻き込んだチーム育児となり、2人目育児は全く孤独ではなくなりました。
転機となったのは2017年。社員の入れ替わりが激しい実態を受け、採用や労働体制を見直しました。高い給与を提示して優秀なフルタイム人材を求めるではなく、「時短社員」を増やし一人ひとりの仕事の負担を減らす「ジョブシェア体制」を築きました。
社員は週3~4日勤務が中心で、月内稼働時間が決まっています。業務に支障が出なければ、何日に何時間働くのかは社員の裁量です。谷平さんは、社員が「ひとりで頑張りすぎない」ようにも気を配っています。
「いろんなママさんを採用してきて、みなさんすごく責任感が強くて、仕事をひとりで抱えがちだという印象があります。現在は月内稼働時間を決めていまして、それを絶対に超えないでほしいと強く言っています。時間対成果を高めると同時に、あふれる仕事は私やほかのメンバーに振ってチームで解決するような文化を作っています」
社員を労わる「ファミリーデー」「ホメ活」
第5回 「GOOD ACTIONアワード」の表彰式に登壇した谷平さん
でも、全員が子育て中だという社員のみなさんは、子どもの用で急きょ出勤ができなくなったり、仕事を中断しなければいけないときもあるはず。互いにどうフォローしているのでしょうか。
社内では細分化したタスク一覧と細かい運営マニュアルを整備したほか、資料も社内サーバーですべて共有化。情報共有ツール「チャットワーク」を活用して、報連相をしっかり行っています。日ごろから小さな情報も共有することで、仕事の引き継ぎが楽になっているようです。
チャットワークはビジネスシーンに最適化されたチャットツールというとイメージがつきやすいかもしれません。プロジェクトごとにグループをつくり、メンバーに関連する話題は細かいことまですべて書き込んでもらっているようです。画像やファイルを送ることもでき、スマートフォンでも利用できます。
「一般的な社内メールでは送るのが億劫になりがちな、くだらないレベルの話も全部あげるようにしてもらっています。『ここにポスター送付しておきました』とか『この納品物届きましたよ』とか。相当情報のコミュニケーション量は上がったと思います」
また、ルバートでは「ファミリーデー」や「ホメ活」といった、社員を労わるイベントも実施しています。
ファミリーデーの様子
ファミリーデーとは、社員の家族全員が参加できる福利厚生イベントです。アイシングクッキー作り、親子写真撮影、スタンプラリーをするなど、子どもと一緒に楽しめる複数のコンテンツを用意します。
このファミリーデーにあたって、それぞれの社員に対して日ごろ一緒に働くほかの社員から感謝のメッセージが綴られた「感謝状」を用意し、谷平さんが一人ひとりに渡しているそうです。このイベントは社員に好評で、「普段褒められることがないからうれしいです」という言葉があるとか。たしかに、社員のチーム仲間意識やモチベーションがあがりそうですよね。
2月13日にはリクルートキャリアが運営するリクナビNEXT主催の「GOOD ACTIONアワード」の表彰式に登壇した谷平さん。個人がイキイキと活躍できる職場づくりに尽力する企業に贈られるこのアワードの受賞に、とても感慨深い様子でした。
「女性が無理なくやりがいをもって働き続けられる仕組みを作りたいと思って会社を始めたもののなかなかうまくいかず、悩んだときもありました。それでもこうした賞をいただき、改めて社員のひとりの思いを形にできてきたのかなと感じるとともに、それを社会に発信することができて感慨深いです」
今後については、「事業でしっかりと利益を出し、よりいっそう社員が働きやすい環境、そして子どもの成長に合わせた稼働増に応えられる体制を整えていきたい」と意気込みを語った谷平さん。働くママの味方になる企業として、これからも注目したい企業のひとつです。
一人ひとりがイキイキと働くための職場の取り組みに光をあてるプロジェクト「GOOD ACTIONアワード」では、各社の職場を盛り上げる取り組みを紹介中です。
(企画編集)
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。