東南アジアの某国。支援事業で家族と赴任したジャック(オーウェン・ウィルソン)だったが、到着の翌日にクーデターが発生。政府関係者と外国人を標的に無差別殺りくが始まった──。監督・脚本は密室スリラー「デビル」(11)やホラー作品で知られるジョン・エリック・ドゥードル。実際にクーデターが起きた旅先のタイで発想したという。
赴任の翌朝。新聞を買いに出たジャックは、通りで暴徒の集団に遭遇する。外国企業に仕事を奪われた市民が、不満を爆発させ外国人を狙っていた。ジャックと家族はずばり標的だった。ホテルには暴徒がなだれ込み、次々と外国人を殺していく。屋上に逃げた人々に、さらなる悲劇が襲いかかる。
ホラー畑出身の監督 ショックと緊張感を持続
ジャック役のウィルソンは、コメディー作品への出演が多い。甘いマスク、マッチョではない普通の男であることがポイントになる。金髪の白人、目立ちすぎるジャックは、妻子を守りながら死に物狂いで逃げ回り、米国大使館を目指す。鍵を握るのは、赴任する機内で知り合ったハモンド(ピアース・ブロスナン)だ。敵か味方か分からぬ謎の英国人が、一家の運命を左右する。
ホラー畑出身の監督は、ショックと緊張感を持続させる。次々襲いかかるアクシデントに、ジャックは究極の選択を迫られる。暴力にとりつかれた人間の恐ろしさ。スリルの中に浮かび上がる家族の絆。父親としての葛藤、強さ、弱さを見せたウィルソンの演技が光る。
「クーデター」(2015年、米国)
監督:ジョン・エリック・ドゥードル
出演:オーウェン・ウィルソン、レイク・ベル、スターリング・ジェリンズ、クレア・ギア、ピアース・ブロスナン
2015年9月5日(土)、新宿バルト9ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。