【ブーム調査隊】そりゃあ「爆買い」するよね! 日本人も知らない最新事情
この1週間、テレビに目を向けると、ワイドショーから経済番組まで「爆買い」ばかり。春節(中国の旧正月)休暇で来日した中国人観光客が、たっぷりとショッピングを楽しんだそうです。
でも、お正月は毎年やって来るもの。どうして今年(2015年)、突然注目されたの? ――そのヒントは「制度改正」と「サービス拡充」にありました。各社の動きを追ってみると、「爆買い」のワケが、ちょっとずつわかってきそうです。
銀座も原宿も外国語だらけだった
●昨秋から「全品目」に拡大
きっかけは、昨年(2014年)10月の免税店制度改正。それまで家電やバッグ、衣料品などが対象だった消費税の免税が、食料品や飲料品、医薬品、化粧品などを含めた「全品目」に拡大されました。
なにを買っても免税対象なんですから、いままでためらっていた商品を求めて、来日するのも当然。「いつ買うの、今でしょ!」ってなレベルです。そこに目を付けた小売各社が、ここぞとばかりにインバウンド(訪日外国人)需要にむけて乗り出したわけですね。
そんななか迎えた、今年の春節休暇(2月18日~24日)は、まさに「商戦」。戦いです。日本経済新聞(26日付朝刊)によると、百貨店では主力店の免税売上高が、前年の2~4倍に拡大。たとえば銀座三越(東京都中央区)では期間中、1日平均で前年実績の3.3倍になったと報じられています。
主戦場の百貨店業界は、どこも切磋琢磨。松屋銀座(中央区)が免税カウンターを20人に倍増したほか、大丸東京店(千代田区)が中国で縁起のいい数字「8」にあやかった「8並び袋」(8万8888円)を販売するなど、中国人観光客の取り込みにやっきになりました。
●国際化するドン・キホーテ
「免税」の波は、コンビニエンスストアにも。「セブン‐イレブン」は14年12月から、東京・浅草と、京都・西院で免税サービスをスタートしています。まずは日本を代表する観光地をおさえたんですね。
"コンビニが免税"なんて、まさに最強。日本経済新聞によると、春節期間中の免税取扱いは直前1週間の2倍になったとか。これだけ便利なんですもの。当然です。
もっと進んでいるのは、ディスカウントストアの「ドン・キホーテ」。免税と銀聯(ぎんれん)カードの全店対応はもちろんのこと、先日から全国20店舗で「外貨によるレジ精算サービス」もスタートしました。
これは日本円やカード決済だけでなく、中国元、台湾ドル、韓国ウォン、タイバーツ、香港ドル、米国ドル、ユーロで清算できるスグレモノ。支払える外貨は紙幣のみで、おつりは日本円なので注意が必要ですが、これだけでも一気に国際化した気がします。
免税制度改正から、まだ半年たらず。5年後(2020年)には、東京オリンピック・パラリンピックが待っています。「おもてなし」のこころで、これからもサービスが広がっていくのが楽しみですね!
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。