2014/6/24

映画「石川文洋を旅する」初日舞台あいさつ/戦場カメラマン・石川文洋を追ったドキュメンタリー

ベトナム戦争取材で知られる戦場カメラマン・石川文洋を追ったドキュメンタリー映画「石川文洋を旅する」が6月21日公開された。東京都内で舞台あいさつした石川は「どんな戦争も犠牲になるのは民間人と兵士たち。次世代に伝えていきたい」と語った。

石川は20代後半の1964年から4年間、米軍の従軍カメラマンとしてベトナムを取材した。その後もアフガニスタン、ボスニア・ヘルツェゴビナなどで戦争が残した傷跡を取材。75歳の今も沖縄やベトナムで撮影を続けている。映画は石川の足跡をたどり、戦争と平和の現実に迫る。

今生まれた世代が50年後、どんな時を生きているか

ベトナム戦争について、石川は「米国の国益のための戦いだった。ベトナム人同士が政府軍、解放軍に分かれて殺し合ったのは、とても悲しいこと」と振り返った。生まれ故郷・沖縄とベトナムの関係について「沖縄の(米軍)基地がベトナム戦争を支えていた。辺野古に基地ができれば、またどこかの国の人が殺される。絶対にあってはいけないこと」と語った。

さらに、現地で戦争を目撃してきた経験から「(国の)指導者は現場に行かない。どんな戦争でも犠牲になるのは民間人と兵士たち。カメラマンは現場の状況を伝えるだけでなく、次世代に引き継ぐことも必要だ。沖縄の現状もできるだけ多くの人に伝えたい」と意欲を示した。

一方、大宮浩一監督は「石川さんが過ごした場所、時間、経験を一緒に旅したかった。今生まれた世代が50年後、どんな時を生きているか。責任を持って時代を作らなければいけないと思う」と話していた。


「石川文洋を旅する」(2014年、日本)

監督:大宮浩一
出演:石川文洋
2014年6月21日(土)、東京・ポレポレ東中野、沖縄・桜坂劇場ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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