2014/4/27

映画「バチカンで逢いましょう」/主演マリアンネ・ゼーゲブレヒト インタビュー「女優として再スタートするちょうどいい機会だった」

ローマ法王に会うため、カナダから単身バチカンを訪れたマルガレーテ。念願かなって謁見に臨むが、大失態を犯して窮地に陥る。救いの手を伸ばしてくれたのは、老詐欺師のロレンツォだった。マルガレーテはひょんなことから、ロレンツォのレストランを手伝うことになるが――。

「バグダッド・カフェ」(87)のマリアンネ・ゼーゲブレヒトが久々にヒロイン役を演じた「バチカンで逢いましょう」。ゼーゲブレヒトは「この映画は、私をもう一度世界へと連れ出してくれた運命の映画です」と語った。

「何様だと思っているんだ」って激怒された

日本での主演作公開は、89年の「ロザリー・ゴーズ・ショッピング」以来25年ぶり。「バグダッド・カフェ」同様、パーシー・アドロン監督と組んだこの作品も世界中で大ヒット。ハリウッドに招かれ、マイケル・ダグラス主演の「ローズ家の戦争」(89)にも出演した。国際的な注目も高まったが、その後表舞台から遠ざかる。きっかけの一つとなったのが「ティシュペーパーの宣伝に『バグダッド・カフェ』の一部を使いたい」という広告会社の申し出だった。

「私の魂がこもった大切な映画。切り売りするなんて許せなかった。世界中を"ティシュペーパーおばさん"になって駆け巡るのはごめんだった(笑)。契約していれば大金が転がり込んでいたはず。マネージメント側は激怒した。『何様だと思っているんだ』と。私の立場は悪くなった。それで一線から退くことになったんです」

かねて興味を抱いていた医療分野に関する本を書いたり、ハーブを育てたりしながら、年に1回テレビ映画に出演。時には独立系の映画に出ることも。そんな静かな日々を送っていたところ、原案者のクラウディア・カサグランデから「バチカンで逢いましょう」の企画を持ちかけられた。

「彼女が自分のおばあさんについて書いた話。『私のおばあさんを演じられるのはあなたしかいない。ぜひやってほしい』と口説かれ、じゃあやらせていただこうと。女優として再スタートするちょうどいい機会だとも思ったんです」

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]地元ドイツではなく、一番遠い日本から始まる
1

人気キーワードHOT

特集SPECIAL