山田洋次監督最新作「小さいおうち」(2014年1月25日公開)完成披露試写会が11月28日、東京・有楽町で開かれ、山田監督、出演俳優の松たか子、黒木華、吉岡秀隆、木村文乃、妻夫木聡、倍賞千恵子が参加した。
中島京子による同名小説(10年直木賞受賞)の映画化。昭和初期の東京郊外を舞台に、女中が見たある恋愛事件、封印された秘密をひも解く作品だ。
「日本一割ぽう着が似合う」女優?
原作を読んですぐ映画化を熱望したという山田監督。「読みながらわくわくした。『もしかしたら際どいことになるのでは』とどきどきした。そんな不安、あやしい心のときめきを含め、日本の大きな歴史が見えてくる。素晴らしい小説だと思った」と語った。
山田作品には9年ぶりの出演となる松。「撮影中に監督が地団駄を踏む音が聞こえてきた。地団駄を踏む人は自分にすごく夢中になり、自分の事が歯がゆいのでは。監督がそういう熱さで現場にいるのは、とても健康的だと思った」と振り返った。
女中役で監督に「日本一割ぽう着が似合う」と絶賛された黒木は、「ありがたいです」と感謝。「平成生まれなのに、ポスターを見た人にも似合うと言われ、すごくうれしい」と話した。
「男はつらいよ」シリーズなどに出演してきた吉岡も、9年ぶりの山田作品。「いまだにもっと何か出来なかったかな、と。ふと夜中に目が覚めたり、反省の日々」と語った。続いて「東京家族」に続き、2作品連続で山田作品出演の妻夫木。「(前作の撮影中)次もお願いしたいと言われ、うれしくて親に電話した」と明かした。
さらに、監督とは50年以上の付き合いとなる倍賞が「撮影は午前9時に始まって、午後5時には終わる」と説明。「山田監督お腹が減ると機嫌悪くなっちゃう。お肉を食べるのがとても好き。だから監督が元気のない時は皆で『お肉食べさせよう』って」と撮影秘話を紹介した。
「小さいおうち」(2013年、日本)
監督:山田洋次
出演:松たか子、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子
2014年1月25日、全国公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。