2013/10/22

映画「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」/香港アカデミー賞主要9部門を独占! リョン・ロクマン&サニー・ルク監督に聞く

香港犯罪アクション「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」が10月26日公開される。香港警察の複雑な内部構造と権力対立を、緻密な脚本で描く力作だ。リョン・ロクマン(梁楽民)、サニー・ルク(陸剣青)監督のデビュー作。二人は「香港映画は死んでいない。香港のために作品を撮りたかった」と語った。

香港中心部の繁華街で爆破事件が起き、警官5人が車ごと拉致された。捜査を指揮する「行動班」の副長官・リー(レオン・カーファイ=梁家輝)は、大規模な救出作戦を展開する。人質にはリーの息子も含まれていた。次第に強引になるリーに、「保安管理班」トップの副長官・ラウ(アーロン・クォック=郭富城)は反発。次期長官の椅子をにらみ、現場と事務方のトップ同士が対立を深める一方、二人に汚職捜査機関が嫌疑をかける。

2012年の香港アカデミー賞(香港電影金像奨)で主要9部門を独占。香港では中国語映画の年間興行収入1位、中国でも同5位を記録するヒットとなった。

クォックの役はジャック・バウアーを意識?

──2008年の米大統領選にヒントを得たと聞きます。警察を舞台にした理由は。

リョン:香港ではここ数年、市民の間に政治や体制への不満、不安がたまっていた。香港人はよく自分たちの町を「アジアで最も安全な都市の一つ」と言う。しかし、「今後も現制度は続くのか」「将来も大丈夫なのか」と心配している。香港政府が危機に直面し、内部対立が起きるが、解決されて安全な都市が維持される。僕らは映画を通してそれを示し、彼らを励ましたかった。

──主演2人の起用理由はどこにありましたか?

ルク:脚本を書く段階から俳優のイメージが必要だった。警察の副長官ポストといえば、40代後半がいい。考え抜いた末、2人に落ち着いた。レオンの役は警察の実働部隊。常に動いていてパワフル、覇気があるイメージなので、彼に決めた。クォックの役は頭脳部隊。CIA(米中央情報局)であれば情報分析官で、(米人気ドラマ『24 TWENTY FOUR』の主人公)ジャック・バウアーのような人物も想定した。

──参考にしたり、影響を受けたりした事件や出来事はありましたか。

リョン:物語は完全なフィクションだ。脚本を書く段階で、訪れる危機を想像して仮説を立てた。その上で、あんな事件が起きたら警察はどう動くか、警官の友人に意見を聞いた。危機自体は仮説だが、対応は警察の実際の動きとして描いている。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]「香港映画は過去の遺物」とか「もう死んだ」なんて書かれて、すごく腹が立つ(笑)
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