2013/3/ 6

映画「ジャンゴ 繋がれざる者」/レオナルド・ディカプリオ来日会見「タランティーノは天才だ」

今年の米アカデミー賞で助演男優賞、脚本賞の2部門を獲得した「ジャンゴ 繋がれざる者」のレオナルド・ディカプリオが2013年3月2日、東京都内で記者会見した。クエンティン・タランティーノ監督作品には初出演で、初の本格的悪役を演じたディカプリオは「僕は常に革新的な監督と仕事がしたいと思っている。タランティーノは天才だ。(悪役の演技は)自己陶酔して開放感を感じる。そういう意味では楽しかった」と語った。

「脚本から飛び出すようなキャラクター。その一部になりたかった」

──あなたが演じたカルビン・キャンディは初の本格的悪役。しかも主役ではない。どう興味もって、出演を決心したのでしょうか。

僕は常に革新的な監督と仕事をしたいと思っている。タランティーノとはずっとやりたかったんだ。 彼はまるで脚本から飛び出すようなキャラクターを書く。ハリウッドでこの脚本が回った時、とにかくみんなショックを受けたよ。「こんなの読んだことない!」ってね。ぜひともその一部になりたいと思った。

──本当に強烈な役でセリフにも圧倒されました。初めて脚本を読んだ印象、タランティーノ監督との初仕事がどんなものだったかお聞かせください。

タランティーノは監督であると同時に脚本家でもある。キャンディの方向付けで(僕自身)いろいろアイデアが生まれたので、彼に早い時期に知らせたよ。それに対して(監督は)信じられないほど素晴らしいモノローグ(独白)を、たった数日で書き上げてくれた。

「ジャンゴ」は南北戦争直前、米国人が触れたくない時代を描いていて、(キャンディは)南部の腐敗の象徴のような人物。キャンディは黒人に育てられているのに、彼らを人間として扱わない。当時の環境や時代の産物ともいえる嫌な奴だ。それでも正当化する理由がないといけない。そこで「骨相学」を語ることを提案した。無知なのにエセ科学者のように物を言う、2ページに及ぶモノローグだ。タランティーノが天才である証だね。

──骨相学のシーンでけがをしたと聞きましたが。

2ページのモノローグシーンには2~3日かかった。他のキャラクターを威嚇するためにテーブルをバンバン叩いていたら、グラスに手が当たって柄が刺さってしまった。まず「痛い」、次に「このシーンを使ってもらえたら最高だな」と思ったかな。そのまま演技を続けたから、テーブルも血に染まったけど。(共演の)ジェイミー(・フォックス)の顔は「ええっ」と驚いているし、タランティーノもレンズから目を離して「大丈夫かな」とちらちら見ていて...。後で数針縫ったけれど、実際に使われたんだ。俳優としては光栄だったね!

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]「悪役は楽しい。カンで自由に演じられるし、開放感がある」
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