辛酸なめ子の東京アラカルト#5 局地的カワウソブーム? カフェでカワウソにまみれる体験

カワウソ 池袋 辛酸なめ子の東京アラカルト

猫カフェに始まり、鳥カフェ、フクロウカフェ、ハリネズミカフェと多角化する動物カフェ。そしてついに、ありそうでなかったカワウソカフェまで......。なぜか池袋に2店舗あるのは、サンシャイン水族館のコツメカワウソが引き寄せているのでしょうか。

日曜の午後、カワウソの個体数が多い「うさかふぇmimi」を訪れました。池袋のサンシャイン通りという最も騒々しい場所に、小動物が生息できるものなのでしょうか。15時すぎに訪れたら、予約客が並んでいて、お店の人に聞いたら「予約なしだと18時にならないと入れません」とのこと。やはり大人気なんですね。18時に仮予約し、それまで池袋で時間&体力&お金を消耗しつつ待機しました。

看板にはカワウソのことは明記されておらず、知る人ぞ知るカワウソスポットです。

お店のシステムはカフェですが、ドリンク無しで30分800円。60分はドリンクがついて平日1200円、土日祝1300円です。今考えると60分の方がお得な気がしますが、その時は待ち疲れで30分にしてしまい、あとで後悔しました。ちなみに、男性ひとり客は19時以降入店できる、という謎のルールが。体の大きい男性は小動物を警戒させてしまうのかもしれません。

お店に入ると、そこはかとなく漂うカワウソ臭。そしてチョロチョロ走るカワウソが視界に入るとテンションが上がります。まずエプロンを身に付け、店内用のクロックスにはきかえます。わりと重装備です。ついにカワウソと戯れられると思ったら、店内はいくつかのブースにわかれていて、まずウサギコーナーで一定の時間を過ごしてからカワウソに移動する仕組みのようです。

通常ならウサギも充分かわいくて癒されますが、心がカワウソに傾いているので、ウサギとふれあいながらも心ここにあらずです。ウサギもまた現実的で、餌を持っていないと来てくれません。餌がなくなると、膝に乗ってもすぐ他の人のところへ行ってしまいます。新しく入ってきた人は餌を持っていると認識していて、そっちへ行く賢いウサギ。ウサギの態度にちょっと寂しくなりはじめた頃、次の部屋に案内されました。いよいよカワウソとのふれあいタイムです。

餌を持っている時はこんなに次々乗ってきてくれたウサギでしたが......。わかりやすい動物です。

生身のカワウソのかわいさとワイルドさのギャップに萌え

 

水族館ではただ眺めるだけだったカワウソにじかに触れられる生カワウソ体験ができるとは......。さっそく、ニョロニョロと背中に回られ、カワウソを体で感じた至極の瞬間。キューキューという鳴き声がかわいいです。しかし意外と噛む力が強くて、クロックスのパーツをさっそく噛み切られた人も。靴まではきかえた理由がわかりました。完全にペット化されていない野性のパワーを感じます。縄にぶらさがってグルグル回ったり、ジャンプしたり、3匹のカワウソは遊び方が激しいです。4匹一緒に椅子を押しはじめたりして、協力体制ができているのに驚きました。群れで生きている動物ならではです。

「キュンキュン」と鳴きながら4匹で協力して椅子を運ぶカワウソ。カワウソは会話している説があるそうです。

カワウソコーナーにいた十数分はあっという間で、野性を感じられ充実したひと時でした。カフェですがとてもドリンクを飲んでいる暇はありません。

ちなみに、別の日に他の場所で開かれていたカワウソ写真展にも行ったのですが、そこにはかわいい写真とともに、飼育の難しさが明記されていました。「水族館のベテラントレーナーの方から聞いた、カワウソがペットに向いていない6つの理由」と題され、

「1. 何か食べようとした時に離すのが難しい」「2. 叱ると攻撃的になるのでほめるしかない」「3. 噛まれると頭を振るのでかなり痛い」「4. 大量の運動をこなさないと悪癖が出る」「5. 鳴き声が意外に大きい」「6. 誤飲が多い」

という内容が掲示されていました。「悪癖」というのが気になりますが、噛む力の強さはお店で実際に体感しました。やはり初心者には難しく、猫感覚では飼えません。だからこそ、好きな時にカワウソとスキンシップできるカフェの存在がありがたいです。

手に持った水やり器から直接飲んでくれました。黒目がちでキュートです。個人で飼育しようとすると結構難しいので、またここに来て会いたいです。

ちなみに日本古来の伝承では、カワウソも人を化かすと言われていました。いろいろな意味で上級者向けの動物です。

辛酸なめ子

1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。

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