出雲あきらの演劇Life
トニー賞授賞式に22回出席している唯一の日本人、出雲あきら氏が今注目のお芝居を紹介。演劇評論家でありながら現役広告マンでもある出雲氏独自の視点で、ビギナーさんにもぴったりな1本を紹介します。
2016/5/ 9

【第43回】演劇を知らない人にこそ観てほしい!「丸福ボンバーズ」新作上演

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1980年代半ばから1990年代半ばにかけて活躍した「東京サンシャインボーイズ」という劇団がありました。この劇団を率いていたのは、今では誰もが知っている三谷幸喜。その三谷を演出補としてずっと支えてきた福島三郎が自ら主宰する「丸福ボンバーズ」の最新作が上演されます。

福島は東京サンシャインボーイズを退団後、公演ごとに役者を集める演劇ユニット「泪目銀座」を旗揚げし、大評判となりました。その後、2年の休業を経た2012年に俳優が所属する劇団形式をとった「丸福ボンバーズ」を新たに旗揚げしました。

小田急線千歳烏山駅近くのAPOCシアター(アポックシアター)を本拠地とし(まるで野球チームのような劇団名ですが)、福島脚本に魅せられたファンの口コミで、じわじわと人気が出て、公演の度に連日満員が続いています。

100席にも満たないこの劇場にはカフェが併設されてあり、上演前に美味しいお茶を楽しんでから観劇に臨むことができるのも人気となっています。

ちびっこを演劇ファンに

「丸福ボンバーズ」が目指す演劇ポリシーは、"敷居は低いが、質の高いエンターテインメント"です。カーテンコールでもよく役者さんのセリフとして登場している言葉です。

ストレートプレイから時には本格的なミュージカル作品など様々なジャンルに挑戦し、誰もが気軽に劇場で楽しめる作品づくりを目指しています。基本的には、福島の脚本・演出によるオリジナル作品を上演していますが、時に劇団員の提案や希望に応じた企画なども行い、所属メンバー全員でプロデュースしている劇団となっています。

福島が常に考えているのは演劇をどう一般の人に広めるのかです。言葉では簡単なようですが、これは演劇人たちの永遠のテーマです。演劇を知らない人たちに劇場へ足を運んでもらうことは、並大抵の努力ではできません。

そこで福島がはじめたのが"ちびっこボンバーズ"という企画でした。地域の小学生に演劇を教えるワークショップを定期的に開催したり、本公演中にはちびっこバックステージツアーを行ったりしています。

演劇を通し子供たちと一緒に遊ぶことによって心豊かな人材を育てていきたい。そして当たり前に演劇を見て育った子供たちが、いずれ大人になっても当たり前に劇場に足を運ぶようになって欲しい、という思いで企画しています。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]どうして大人はそんなに温泉が好きなの?
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