皆さんは「OSK日本歌劇団」という劇団をご存知でしょうか。1922年(大正11年)に宝塚歌劇団に対抗して松竹が設立した女性だけの劇団で、かつては大阪松竹歌劇団(OSK)という名称でした。このOSKから東京で公演するために独立した松竹歌劇団(SKD)と宝塚歌劇団と共に「三大少女歌劇団」と呼ばれた時代もありました。
決して楽ではない劇団の経営
1934年(昭和9年)、本拠地を千日前の大阪劇場に移してから、戦争をはさんで1950年代までが黄金期でした。その後、少女歌劇ブームに陰りが見え始め、1970年代に近鉄グループの子会社となり「OSK日本歌劇団」と改称し、主に奈良市の近鉄あやめ池円形劇場を本拠として公演を続けました。残念ながら近鉄グループのレジャー部門の見直しで、支援が打ち切られ、2003年の公演を最後に解散し、81年の歴史に一旦幕を閉じました。プロ野球の近鉄バッファローズが解散したのも、ほぼ同時期です。
その後、存続を願う劇団員や支援者たちにより新たに劇団を立ち上げて現在に至っています。大企業がバックについているわけではなく、また公演の機会も多くないため、劇団としての経営は決して楽ではないと思います。
しかしながら、彼女たちのステージはいつでも全力投球。その姿は我々観客の胸を熱くします。何か役に立てないか、応援できることはないかと思い、逆に彼女たちの一生懸命さに励まされてしまう、そんな熱いステージが展開されるのです。
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