新トップスター高世麻央お披露目公演
かつて劇団に在籍していた著名なスターでは、笠置シヅ子や京マチ子がいます。最近では、ミステリーハンターとしてテレビで活躍している瀬戸カトリーヌ。残念ながら瀬戸は、初舞台を前にして阪神・淡路大震災に遭い、初日を迎えることなく退団してしまいました。
OSKは「歌の宝塚、ダンスのOSK」と言われた通り、レベルの高いダンスが売りです。特に、より速く、より高く足を上げるラインダンスは圧巻です。本場ニューヨーク・ラジオシティ・ミュージックホールのロケッツを凌ぐほど素晴らしいものです。ちなみに、1980年の奈良東大寺大仏殿昭和大修理の落慶法要で、大仏の前でラインダンスを披露し話題となったのもOSKでした。
今回の公演、第1部は日本物のレビュー、第2部は洋物のレビューの2部構成、豪華で華やかな舞台が展開されると思います。
フィナーレはお馴染みの桜のパラソル(ピンク色の傘)を回しながら劇団のテーマソング「桜咲く国」を歌います。パラソルを回すのは、昭和の初めにゲスト出演した外国の歌手が、紙吹雪を吸い込んで声が出なくなるというアクシデントがあり、それを防ぐために傘をさして歌ったことから始まった伝統です。
そして今回は新たにトップスターとなった高世麻央のお披露目公演でもあります。気品ある美しさと端正な佇まいが印象的な男役スターで、正統派二枚目から屈折した敵役まで幅広い役柄を演じられます。また、切れのあるダンスと表現力豊かな歌声で観客を魅了します。
京都は紅葉のシーズン真っ盛りで、一年中で最も訪れる人が多い時期です。京都観光にOSK日本歌劇団のレビュー観劇を加えてみたらいかがでしょうか。
『OSKレビュー in Kyoto』
11月18日(水)~11月24日(火) 南座(京都四條)
第1部「浪花今昔門出賑」山村友五郎 構成・演出・振付
第2部「Stormy Weather」荻田浩一 作・演出
出演:出演:高世麻央、桐生麻耶、楊琳、真麻里都、悠浦あやと 他OKS日本歌劇団
作品の詳細は公式サイトで。
出雲 あきら(いずも・あきら)
演劇評論家。ラジオや雑誌等で多くの演劇コーナーを担当。トニー賞授賞式に20年出席している唯一の日本人。広告会社電通に勤務する会社員でもある。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。