じめじめとした梅雨時のシーズン、満員電車の汗のニオイが気になる人も多いと思います。「毎日入浴しているのになぜかイヤな汗のニオイがする」「デオドラント製品を使っているのに、自分がにおう気がする...」など、感じたことはありませんか?
最近自分のニオイに敏感になっている女性が増えているといいます。原因は、肝機能の低下からくる"疲労臭"かもしれないとのこと。協和発酵バイオ・学術研究企画室の西村明仁さんに、詳しい話を聞きました。
アンチエイジング効果も
最近、女性にも「汗のニオイが気になる」「なんだか酸っぱいニオイがする」という人が増えていますが、これはいわゆる"加齢臭"とは違うんですか?
「中高年に多い"加齢臭"とはまた違い、汗に含まれるアンモニア成分が原因となる"疲労臭"の可能性が高いですね。"疲労臭"は、血中のアンモニア成分が原因。汗と一緒に体外に出て、揮発することで発生します。通常なら、アンモニアが増え過ぎた場合、肝臓で解毒されますが、体内で処理しきれなくなると、汗に含まれるアンモニア値が高くなり、独特の刺激臭を発することになると言われています」
体からオシッコのようなニオイが出る......。なかなか怖い話ですが、原因はなんでしょうか。
「アンモニアを処理しきれなくなる原因は、肝機能の低下です。アンモニア解毒を担うオルニチンサイクルの働きが低下してしまうと、アンモニアが処理しきれなくなる可能性がでてきます。また、激しい運動で筋肉が分解される時にもアンモニアは発生するし、お酒の飲み過ぎなども肝機能の低下に影響するので注意が必要なんですよ」
加齢臭とは違い、"疲労臭"の可能性は、若い女性にも十分あるということ。また、アンモニアはニオイの原因になるだけでなく、疲労の原因物質とも言われていて、体内に増えることでだるさや疲労感が増してしまう、というのも怖いですよね。
西村さんは、対策として、肝機能を高めるアミノ酸「オルニチン」の摂取が有効と話します。
「2011年、加齢臭などにもくわしい五味クリニックの五味常明院長の監修で、エアロバイクを漕ぐ運動による"疲労臭"にかんする実験が行われました。オルニチンを摂取させたグループとそうでないグループに分け、運動後の汗や皮膚ガス中のアンモニアの濃度を調べたのですが、オルニチンを飲んだグループの方が低い値でした」
しかも、女性にはアンチエイジングやダイエットの効果も期待できるそう。
「オルニチンは、成長ホルモンの分泌を促してくれるので肌へのアンチエイジング効果が期待できますし、脂肪の分解をアップする効果もあるので、ダイエット補助にも向いていると言えます」
「最近疲れているなー」という人は、汗を拭いたタオルを嗅いでみて、酸っぱい臭いや、鼻につく臭いを感じたら、疲労臭を疑ってみてもいいかもしれませんね。
詳細は、オルニチン研究会報告書から。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。