日本未公開の新作を一挙紹介する「イタリア映画祭2014」が2014年4月26日(土)、東京・有楽町で開幕する。12年以降に製作された14作品が上映され、期間中は来日ゲストによるイベントも開催される。
「今のイタリア」を垣間見る貴重な機会
01年「日本におけるイタリア年」を機にスタートし、今年で14回目。毎年ゴールデンウィークに開かれ、のべ1万人を超す観客でにぎわう。今年は「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」のジャンフランコ・ロージ監督、「いつか行くべき時が来る」と「ミエーレ」の主演女優ジャスミン・トリンカら監督、俳優10人が来日。26日の開会式、各作品上映後の観客との質疑応答に参加する。
カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリを獲得した「サルヴォ」は、ファビオ・グラッサドニア、アントニオ・ピアッツァの脚本家コンビによる長編初監督作。冷徹な殺し屋が盲目の少女と出会い、互いの人生が予期せぬ方向へ変わる過程を描く。
ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品された「初雪」は、前作「ある海辺の詩人 小さなヴェニスで」が日本公開されたアンドレア・セグレ監督第2作。イタリア北部の山間の村で、心に傷を負った少年と難民の触れ合いを映し出す。
ドキュメンタリー映画「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」は、ベネチア国際映画祭最高賞の金獅子賞受賞作。高速道路沿いに住む人々の物語を鋭く切り取った作品。欲望、混沌、未来と人々の心模様を叙情的にとらえている。
「フェデリコという不思議な存在」は、フェデリコ・フェリーニ監督と交流のあったエットレ・スコーラ監督作品。二人の出会い、マルチェロ・マストロヤンニとの友情、撮影スタジオのエピソードなどを通し、フェリーニの素顔に迫る意欲作だ。
今年もコメディー、人間ドラマ、政治風刺劇など幅広いジャンルの作品が集まった。"今のイタリア"を垣間見る貴重な機会になりそうだ。有楽町朝日ホールで4月26~29日と5月3~5日、大阪・ABCホールで5月10~11日に開催される。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。