「どこにそんなスゴイ人、オモロイ人、素敵な人がいたの」というぐらい新たなスターが登場しては消えていく。去年まではどこにでもいる普通のOL、主婦だった人が、今年は雑誌にテレビに数多く登場してメディアを賑わせる。さらには書籍や半生がドラマ化、映画化されるまでなる。彼女たちはいかにして世間で注目されるようになったのか、売れたのか。
商品価値は話題性がいつまで続くか
そもそも、彼女たちが世に出るキッカケは雑誌や新聞に取材されることだった。その記事を見た私たちのようなテレビ界の人間がお声掛けさせていただく。そうしてラジオ、テレビへ進出していく。そこからは事務所に入るなり個人事務所を立ち上げるなり、いつのまにかタレントになっていたりする。
その人の商品価値は話題性がいつまで続くか、そしてどれほど人に愛される人物かにかかっている。トークが上手い、頭の回転が速くスタッフ側から使いやすい人であるかということ以上に、「○○さんのために頑張ろう!××さんの頼みなら、しょうがないなぁ」と人に思ってもらえるかにかかっているのだ。
この愛され体質こそが成功への第一歩である。ある雑誌の編集長がナルホドと思う話をしてくれた。「たとえば、自分が面白い人に出会ったら、友達にこんな人に会って面白い話を聞いたって話をしたくなるでしょ。それと同じだよ」
絶えず新しい人材、ネタを探しているのはテレビ業界も紙媒体も同じだ。編集者やライター、記者はネットワークを自ら築き、いい人がいないかお互いが紹介しあうらしい。ここがちょっとテレビ業界と違う。私たちはそう簡単に人を紹介し合わず、自分で囲ってしまおうという縄張り意識が強いのかも知れない。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。