2013/10/15

映画「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」/チェン・ボーリン ロングインタビュー「30代も方向を絞らず挑戦したい」

中国映画「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」主演の台湾人俳優チェン・ボーリン(陳柏霖)が公開に合わせてこのほど来日し、インタビューに応えた。デビュー作「藍色夏恋」から11年。台湾、中国、香港と中華圏で幅広く活動を続け「今後も方向を絞らず、いろいろなジャンルに挑戦したい」と意欲を見せた。

舞台は中国四川省。息子を亡くした京劇女優(シルビア・チャン=張艾嘉)と、共同生活する若者3人の交流を描く。中国の女性監督、リー・ユー(李玉)がメガホンを取り、第23回東京国際映画祭(10年)で最優秀芸術貢献賞を獲得。共演のファン・ビンビン(范冰冰)は最優秀女優賞を受賞した。

「私生活でも役に近づくよう気を付けたんだ」

──撮影から3年。やっと日本で公開されましたね。

今(日本版の)予告編を見たら、3年前と少し違う印象を受けた。それまで演じたことがないキャラクターで、撮影時は役に入り込んでいた。自分ももう30歳を過ぎたけれど、どれだけ時間がたっても素晴らしい作品だ。

──四川省が舞台で、役の生い立ちも背景もチェンさんと大きく異なります。どう理解し、表現したのでしょうか。

脚本をしっかり読み込み、キャラクターを把握し、共演者との関係性をつかんだ。服や言葉使いなどを変え、私生活も役に近付くよう心がけた。他の俳優との化学反応も楽しんだ。

僕が演じたのは、いつも悩んでいて鬱屈した青年。自分と性格がまったく違う。明るい部分を押さえるのは大変だった。台湾のイントネーションは中国と違うので、台詞回しも難しかった。

──ファン・ビンビンとシルビア・チャン。中国、台湾を代表する女優たちと共演した印象は。

チャンさんは11年前に知り合い、今まで義理の息子のようにかわいがってもらっている。俳優で監督、先生のような存在。ファンさんは中国でとても人気があり、共演はいい経験になった。

──文芸作品からコメディーまで、幅広く出演していますが、作品選びの基準は。

特に基準はない。すべては縁。面白そうだな、と思ったら出演する。縁がどこにあるかによって決まる。

リー監督はフィルム撮影が好きで、今回もかなり長く回した。俳優には「脚本に自分で何か加える」ことを求める人。台詞以外に「場面の意識の流れ」でどう役を作るかが重要で、難しかったけれど面白い撮影だった。

また、監督の撮り方はワンシーンが長い。5つしか台詞がなくてもカットをかけず、十数分間続けて撮る。演じながら「次はどうするのかな」と思うこともあり、挑戦的な作業だった。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]にきびだらけで一重まぶたにするのに毎日3時間
1

人気キーワードHOT

特集SPECIAL

Instagram