『推し嫁ルンバ 嫁ぎ先のお姑さんがいつも私に冷たいと思っていたら、実は推しとして見られていた話』かときちどんぐりちゃん 著(KADOKAWA)
嫁姑関係で悩んだことは一度もない、という人は少数派ではないでしょうか。「嫁姑」と聞いただけで、バチバチと火花が散る音が聞こえてきそうです。中には仲良しの嫁姑関係もあるかと思いますが、だいぶ飛躍した「推し」と「ファン」という嫁姑関係も、ひょっとしたらあるかもしれません――。
かときちどんぐりちゃんの『推し嫁ルンバ 嫁ぎ先のお姑さんがいつも私に冷たいと思っていたら、実は推しとして見られていた話』(KADOKAWA)は、「嫁が眩しすぎて顔を直視できない、口もきけない姑」と「私なんてどうせ気に入られていない......と悲観しつつも頑張る嫁」という、新しい嫁姑関係を描くハートフル・コメディです。
眩しすぎて直視できない
佐藤朋美は、出版社で編集長をしています。30代の終わりに雑貨屋店主・光林寺ひろしと出会い、このたび結婚することになりました。いつも元気で大らかなひろしと一緒にいられる幸せをかみしめつつ、ある悩みを抱えています。
それは、姑の光林寺エマとの関係です。「お義母さま」と話しかけても、目を合わせてもらえないどころか、返事すらしてもらえません。初対面の時からずっと、なぜか嫌われている気がするのです。
これはなかなか耐えがたい状況です。
一方、エマは元バレリーナで、ダンスの先生でもありました。貴婦人のようなたたずまいで、何事にも動じなさそうに見えて、実はある想いを抱えて苦悩しています。嫁いびりをしているわけではなく、むしろ真逆で、あまりにも麗しい朋美にひとめぼれして自分を見失っていたのです......!
今日も直視できなかった あまりにも貴女が眩しすぎて... 嫁は推しだった
職場でもどこでも、朋美は周囲の女性たちをトリコにしていました。ただ、当の本人はまったくの無自覚で、いつもそっけないエマから好意を抱かれているとは夢にも思わないのでした。