2024/2/16

夫がわたしを忘れる日まで:45歳の夫が「若年性認知症」に。妻はどう向き合うのか。

別人のように変わっていく夫が怖い

「若年性認知症」とは、65歳未満で発症する認知症のこと。現代の医療では、進行を遅らせることはできても完治が難しい病気で、症状が進むと、家族の顔もわからなくなるといいます。

翔太は会社と話し合い、部署を変えてもらいました。周りもサポートしてくれました。しかし、やがて降りる駅がわからなくなって通勤できなくなりました。「翔太に限界が来ている」と感じた彩は、自身がフルタイムで働くことを決めます。

翔太は会社を辞め、地域の支援施設に通いはじめました。家でも「できるだけのことはやりたい」と、家事を引き受けるようになります。しかし、ひとりで買い物に行って会計をせずに店から出るなど、本人のやる気とは裏腹に失敗してしまい......。

「全部オレのせいだ」と自己嫌悪に陥り、すっかり自信を失った翔太。そんなある日、彩は初めて、翔太が声を荒げる姿を目にします。あんなに穏やかな人だったのに、今目の前にいるのは別人のようでした。

翌朝、「ごめんね」と歩み寄ろうとする彩に、翔太は平然とした様子で言いました。「ごめん なんだっけ オレ昨日何か言った?」

「こうやって少しずつ 忘れていくのかな」
「私が 翔太の中から消えるのはいつだろう」

本書は、ままならない日々を描くコミックエッセイシリーズ「シリーズ立ち行かないわたしたち」の1冊。まさか自分が、まさか家族が、と思っていたことが起こったら、自分はどうするだろう......と考えさせられます。「もし大切な人が別人になってしまったら、それでもあなたはその人を愛せますか?」と問いかけてくる作品です。

※画像提供:KADOKAWA
(東京バーゲンマニア編集部)

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