「亜州太陽市場」「LAOX BEAUTY AIRPORT」でアジアの空港にワープ【辛酸なめ子の東京アラカルト#60】
コスメのハブ空港でアジアの美意識をインプット

(「LAOX BEAUTY AIRPORT」の入り口。通販サイトもありますが、実際の店舗の方が品数多いです)
さらにテンションが高まる店舗が1月末にすぐ近くに爆誕。同じくLAOX系列で、韓国、中国、台湾、タイなどのアジアコスメが100ブランド、1200アイテム以上も集まった「LAOX BEAUTY AIRPORT」です。
その名の通り、店内は空港のショップをイメージしていて、アジア食材店とハシゴすると、気分は飛行機の搭乗前のように高揚してきます。女性用コスメが多いですが男性用コスメもあります。

(韓国のパックも豊富です。美を牽引する国ですが、他のアジアの国も負けていません)
韓国は「美容大国」で有名で、スキンケア系から、パック、メイクアップ用品などブランド数も多く充実していますが、「美容大国タイ」というPOPもあって、実はタイもコスメが発展しているようです。
タイ人は女性も男性も肌がきれいな印象。コスメもいいものが次々出ていますが、欧米よりもアジア人の肌質の方がいい感じなのでは?と、ひいき目ですが思わずにはいられません。
タイといえばここ数年大人気なタイBL。もしかして、と思ったらやっぱりありました! 珠玉のイケメンが競演しているBL「2gether」のBrightとWinがイメージモデルになっている「CathyDoll」のコスメです。

(タイの人気ブランド「Cathy Doll」のパッケージに、人気俳優Bright&Winが! 肌も美しいです)
Brightの写真がプリントされたファンデーションとWinの写真入りのチークを見つけて即購入決定。ファンデの上にチークを重ねることで、なんと顔の上でBrightとWinが合体するという萌えコスメ。あとで使ってみると、ファンデ990円、チーク770円とは思えない発色と付け心地でした。
アジアコスメは価格が手頃なのも魅力的。台湾の「ヒーミー」というブランドのアイカラーパレットは6色入りで1800円でした。

(台湾のブランド「ヒーミー」のアイカラーパレットは使えそうなカラーが集まっています)
また、今回発見したのは中国のコスメの魅力。とにかくパッケージが凝っています。日本のコスメ会社のように老舗が手堅いラインナップを出すのではなく、若くて冒険的なベンチャー系会社が多いのでは?と推察。予算度外視したかのような、蝶をかたどったケースの「バタフライアイシャドウ」(ジェコモ)は、これだけ凝っていて2200円は安い気がします。
色合いも、中国の歴史ファンタジーに出てくるヒロインのような上品な印象。中国ブランド「CATKIN」の「山海魂シリーズ」は、中国の書物「山海経」をモチーフにしたデザイン。リップグロスの容器はキツネのしっぽをかたどっていて1980円。

(キツネのしっぽ風デザインが目を引く「山海魂シリーズ」のリップグロス。購入したら発色がしっかりしていて、マットで固めでした)
視界に入る度、日本にはない発想だと感心させられます。プチプラを選ぶか、デザインの芸術性を選ぶか迷うのもたのしいひととき。
インバウンドで中国人のお客さんの爆買いがなくなってしまいましたが、日本人として単価の安い品でも買いまくって、微力ながら経済活性化に貢献できれば幸いです。
辛酸なめ子
東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デ ザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。