保存食の進化と洗練ぶりを体感できるカフェ
2階は、個人的には現実とかけ離れた世界でしたが、1階は現実的に必要な品が揃っています。
ショップコーナーには、長期保存食ブランド「IZAMESHI」の商品などがあり、保存食の進化に驚かされます。
(ごはんやカレー、おでんなどが入った保存食セットも販売。3年持って1万800円です)
わかめご飯、梅しらす雑炊、ぶり大根、濃厚トマトのスープリゾット、名古屋コーチン入りつくねと野菜の和風煮、トムヤムクン、ガスパチョ、黒みつきなこ餅など、これまでの保存食のイメージをくつがえす充実のラインアップ。普通に山登りなどレジャーでも使えそうです。
「IZAMESHI Dish」で保存食を使ったメニューを食べてみました。
メニューを見ると「砂肝とクルミのイタリアンリゾット」「トムヤムクンのパッタイ風うどん」「スパイシーチキン&ドライカレー」「小松菜とケールの炒めごはん」など絶妙においしそうな料理が並んでいました。どれも935円という安さです。
(トムヤムクンのパッタイ風うどん。麺にスープがよく絡んでいました)
「トムヤムクンのパッタイ風うどん」をオーダー。こちらは麺やエビが保存食なのでしょうか。新鮮な生野菜がトッピングされて、過去と現在のハーモニーを楽しめます。
「アホブランコ」というスープも飲んでみたら、かなり濃厚な塩辛さが。上級者向けでしたが、他の外国人のお客さんが、故郷の味だとか言って喜んでいるようでした。
ドリンクは7年保存水など気になりましたが、ハウスインディアンチャイ(660円)をオーダー。他にも健康に良さそうなカクテルなどドリンクメニューが豊富です。
日本は災害が多く、コロナ以外にもいつ天変地異に見舞われるかわかりません。保存食というとこれまでテンションが下がるイメージでしたが、今回おいしくて素敵なメニューがあることを知っただけでも、災害大国の国民として未来に希望が持てました。
何か災害が発生したら即、銀座のこのお店に駆け込もうと思います。
辛酸なめ子
東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デ
ザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。