「疲れ目」の原因もしかしたら...「角膜の傷」が引き起こす症状をチェック
このコロナ禍、様々な事柄が変わりましたが「目」にも厳しい状況といえそうです。"角膜の傷リスク三重苦"というキーワードが、2人の専門医から発表されました。
「最近目が疲れるんだよな...」という人は要注意。この症状当てはまったら、生活を見直したほうがよさそうです。
角膜の傷リスク三重苦
過去に類をみない目を酷使する生活が1年以上続いていることで、角膜の傷リスクが高まっていることに警鐘を鳴らすべく、メディア向けオンラインセミナーが、2021年4月12日に開催されました。
登壇したのは、東邦大学医療センター 大森病院眼科の堀裕一先生と、杏林大学医学部 眼科学 山田昌和先生です。
本来は正常に保たれている角膜ですが、コロナ禍特有の環境により"角膜の傷リスク三重苦"が起こっているといいます。
(1)目の酷使による影響
スマートフォン、パソコン作業に集中すると、瞬きの回数が1/4に減少。長時間PC作業などを継続することで自律神経の交感神経が優位になり、涙が出にくくなります。結果、乾燥により涙の層が崩れ角膜が傷つきやすい状態になるのだそう。
(2)マスクドライアイによる影響
マスクドライアイとは、マスクから漏れる上向きの呼気によって、目の表面が乾いてしまうこと。コロナ禍の今、マスクを日常的につけている環境にあり、常に目は乾燥しやすい状態なのです。結果、角膜が傷つきやすい状態に。既にドライアイの人はさらに悪化する可能性もあるといいます。
(3)精神疲労による影響
ストレスや不安感が蓄積されると、自律神経のバランスが崩れ、涙の油層を形成するためのマイボーム腺の働きが低下します。涙の質が低下し、角膜が傷つきやすい状態になります。
では、角膜の傷による症状例をみてみましょう。当てはまるものはありませんか?
・文字がぼやける
・痛みを感じる
・目が常に渇いてショボショボする
・ゴロゴロ感
・目がかすむ
・寝ても疲れ目が解消しない
いずれも疲れや加齢のせいと放置しがちなサインばかりですが、頻繁に起こったり長引く場合は角膜の傷が原因である可能性もあるとのこと。悪化する前に専門医にかかりましょう。
実際、堀先生自身が監修した「角膜の傷リスクチェックリスト」で"危険層"に分類された人のうち73%が実際に傷ついていたそうです。
(イメージ)
また、点眼薬は涙と目の機能を正常化する役割があり、有効なセルフケアですが、適正回数以上点眼するといった誤った使い方や、自身の目の状態にあっていない商品の選び方は、かえって症状を悪化させる可能性があります。
適正回数は一般的に1日5~6回。点眼薬に配合されている防腐剤は、角膜に傷がついている人には症状を悪化させる恐れがあるので注意が必要。角膜にやさしい防腐剤無添加のものを選びましょう。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。