辛酸なめ子の東京アラカルト
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが注目する東京のお出かけスポットやイベントを紹介。辛酸さんならではの視点、現地でのエピソードに思わずニヤッとしてしまいます。
2020/11/14

昭和初期の元銭湯が令和のカフェに映え リノベーション【辛酸なめ子の東京アラカルト#44】

(素敵な銭湯カフェ外観。道では子どもたちがボール遊びをしていて昭和タイムトリップ感が......。土日は列ができるほど人気だそうです)

昭和3年に建てられた銭湯が、令和になって人気カフェになるとは......。おしゃれスポットが増えてきている入谷に元銭湯カフェ「レボン快哉湯」がオーブンしていたようです。

男性フェロモンの残り香を感じられそう

テレビで、映えスポットとして紹介されているのを見て、ぜひ行ってみたいと思い、ある平日の夕方に現地へ......。雨が降っていて、少し迷っていたら古い寺院が多いことに気付きました。しめやかで風情がある街の一角に、昔ながらの瓦屋根の銭湯が。植木や庭の岩も含めて雰囲気ありすぎます。

ちなみにテレビで見た時は、若い女子が銭湯を珍しがって集まっている、と紹介されていましたが、普通にまだ全国各地に銭湯があるような......。でも、このカフェは、銭湯になじみがない人も、今も銭湯好きの人にも喜ばれるスポットです。

「記憶をつなぐカフェ、レボン」という看板を見ると、メニューが書かれていて、自家焙煎のコーヒーと農園直送の果物で作るアイスクリームのマリアージュを楽しめるようです。

(銭湯の傘専用ロッカー。最近の銭湯ではなかなか見かけません)

さっそく中に入ると、傘を入れる小さいロッカーが。雨が降っていたおかげでこのロッカーに傘を入れる体験ができました。鍵までついていて、厳重に格納できて、昭和初期はまだ傘が貴重だったのかもしれないと想像。

中に入ると浴槽を彷彿とさせるタイル張りのカウンターがあって素敵です。映えるスポットだからかこの日はファッション誌の撮影が行われていました。

撮影は女湯側だったので、男湯ゾーンの席に。1928年から2018年までの約90年間、この空間が裸体の男性のるつぼだったと思うと、ここで座っているだけで男性フェロモンの残り香を感じられそうです。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]自然と本音トークが出てくる場所
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