2018/5/ 3

東京ミッドタウン日比谷の穴場探索 【辛酸なめ子の東京アラカルト#14】

辛酸なめ子の東京アラカルト

東京ミッドタウン日比谷がオープンして数週間。新しい商業施設が好きなので、4、5回くらい行ってしまいました。日比谷シャンテもリニューアルし、これから日比谷が盛り上がってくる気配です。

ところで東京ミッドタウンといえば六本木だけだと思っていたら、日比谷もできて、ブランド名だったことが今回判明しました。今後、森ビルのヒルズブランドやアトレのように各地に増殖していくのでしょうか。コレドも同じ系列ですが、三井不動産系の施設は、ギラギラしすぎていない都会的でクールなテナントのラインアップが魅力的です。

東京ミッドタウン日比谷は、オープン翌日に行ったらエスカレーターに乗るにもロープで区切られた列ができていて大変な混雑ぶりでした。若い女子が「ヤバいよね。何かワクワクしちゃう」「楽しい~どこに行こうか」と店内の表示を見て興奮していました。いっぽう「見にきてるだけの人が多いから。売上げにならない!」と断言するマダムの声が。でも、地下のスイーツやパンの店はかなり並んでいました。

ブーランジェリー・ボヌールはコッペパンとカレーパンが名物だそうです。この日は列がすごくて諦めましたが後日、20分ほど並んで購入。カレーパン10個くらい買っている女性もいました。コッペパンは具が豪華なのに300円台と、都心にしてはコスパ高かったです。

ブーランジェリーボヌールの行列。もう一店あるパン屋さんジャン・フランソワも売れていて、日比谷ではパンが求められていたようです。

お一人様に優しいカフェを探して......

地下のおしゃれフードコートにも期待していました。雰囲気は表参道のエチカに似ている、ヨーロッパの石畳の街並みたいな空間。でも、お店はオイスターバーとかBBQとかスパニッシュバルとかで、女性の1人食事にはハードルが高いです(お値段も)。近辺の会社帰りの人が同僚と立ち寄るには良いでしょう。

でも、館内をさまよっていたら、女・1人食事にいい店を発見。1階のLEXUS MEETS...内のカフェです。LEXUSというと高級そうですが、カフェは良心的でした。18時になる前のランチタイムなら、サンドウィッチとドリンクのセットが650円と結構な安さ。席もたくさんあります。他のカフェはだいたい並んでいますが、こちらなら列ができていてもわりと早く入れます(3回ほど利用して体感)。

他に気になったのは3階の昭和レトロっぽくておしゃれな空間。有隣堂の雑誌スタンドや居酒屋など並んでいますが、一番注目されていたのは、理容ヒビヤ。昭和の理容室の看板などそのまま使っているそうで、懐かしい床屋さんの空間で髪を切ったり顔剃りしたりマッサージを受けられたりします。ただ、立ち止まってカーテンごしに中を眺めるギャラリーが多数います。

昭和感が漂う理容ヒビヤ。女性客も入れるようで、首マッサージが気になります。

昭和テイストの空間とはいえ、おしゃれセレクトショップでは6万円の石のオブジェなど売られていて油断できません。

地下通路には映画の街ならではの、俳優の手形が並んでいるコーナーが。トム・クルーズ、シルベスター・スタローン、吉永小百合、沢口靖子、ペ・ヨンジュン、斉藤由貴、菅原文太、高倉健......と大御所の手形を間近で観賞できます。さすが皆さん運命線がしっかりしています。有名人のオーラを吸収できる隠れパワースポットです。

地下の通路にあった、俳優の手形。手を合わせてエネルギーを吸収したいです。

一回の吹き抜けの中心から見上げた天井。この真ん中がパワースポットっぽい気がします。

夜にミッドタウン日比谷に行った日の帰り道、有楽町駅に行く途中、コンビニ前で、おじさん達が集団でお酒を立ち飲みしているのを目撃。おしゃれな商業施設が増えると、逆におじさんたちの居場所がなくなってしまうのかもしれません......。

辛酸なめ子

1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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