シナモンを見直そう
料理やお菓子の香りづけに使われるスパイス・シナモン。ここ数年は、美肌やダイエット、育毛にインフルエンザ予防など、その健康効果に注目されています。シナモンロールと生八ツ橋が大好物の記者がまとめました。
斬新すぎる「シナモンマスク」
千葉大学などの研究グループが開発しているのが、その名も「シナモンマスク」です。
なんと、シナモンにインフルエンザ予防の効果があるというのですからびっくり!
同大学院医学研究院の並木隆雄准教授による実験で、シナモンから抽出した「シンナムアルデヒド」を鼻や口から吸入すると、4つの型のインフルエンザウイルスの増殖を食い止める働きが発見されました。
マスクには、粉末状にしたシンナムアルデヒドが挿入されるとのこと。独特の香りは感じられるのか、粉末を吸い込んだ時に咳き込まないのか、花粉ブロックも期待できるのか......、いろいろ気になりますね。2017年中の商品化が予定されています。
シナモンに熱視線を注いでいるのは医学だけではありません。
シナモンは、「桂皮(けいひ)」と呼ばれる生薬でもあります。葛根湯や麻黄湯など、多くの漢方薬に配合されてきました。漢方学では「末梢血管を拡張する」などとうたわれていますが、最新科学による裏付けも進んでいます。
2009年10月に発表された資生堂の発表(※)によると、資生堂と大阪大学微生物研究所の高倉伸幸教授は、シナモンに老化した毛細血管を回復させる力があることを突き止めました。皮膚毛細血管の中にある「Tie2(タイツー)」と呼ばれる受容体の働きが、シナモンから抽出した「ケイヒエキス」によって活性化。Tie2が活性化されることで、血管を通ってきた栄養がしっかり皮膚に届けられます。
資生堂はケイヒエキスを配合したサプリの商品化に取り組んでいますが、シナモンそのものを意識して摂取するだけでも、くすみ、むくみ、クマ、シミ、シワなどお肌にありがちな悩みが目立たなくなるとか。また、肌だけではなく、髪にも栄養が行き渡るので、ハリやツヤが出て、薄毛や抜け毛予防にも繋がるそうです。
そして、毛細血管が元気になるということは、冷え性の改善や、代謝アップによるダイエット効果も期待できます。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。