3秒ルールの信憑性を探る
手元が狂って口に入れようとした食べ物が床にぽろり。こんな時に多用される「3秒ルール」ですが、実際このルールが適用された(つまり落としちゃったけどすぐ拾った)食べ物は本当に安全なのでしょうか――?
このルールの信憑性を徹底検証したアメリカの研究があります。2016年9月2日、米国微生物学会誌「Applied and Environmental Microbiology」オンライン版に掲載されました。
1秒未満でも危ない?
米ラトガース大学のドナルド・シャフナー博士とロビン・ミランダ博士は、"ルール"を検証するため(ちなみにアメリカでは5秒ルールが一般的)、「スイカ」「パン」「バター」「グミキャンディ」の4つの食品を、「ステンレス」「セラミックのタイル」「木材」「カーペット」の4種の素材の床に落とし、どの程度細菌に汚染されるのかを分析しました。
床には「エンテロバクター・アエロゲネス」というサルモネラ菌の近縁種を塗布し、4センチ角にカットした食品が「1秒未満」「5秒」「30秒」「300秒」接触した場合の、2560パターンを計測しました。
その結果、床との接触時間が長いほど移行した細菌は多かったけれど、1秒未満でも移行は起きていたことが分かりました。つまり、「落とした瞬間拾い上げても、すでに食べ物は汚染されている」ということ。
さらに、細菌は水分を媒介するので、食品の水分量が多ければ多いほど移行率はぐんぐん高くなります。例えば、グミは「0.1~62%」だったのに、バターやパンは「0.02~82%」、スイカとなると「0.2~98%」も細菌に汚染されていたのです。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。