出雲あきらの演劇Life
トニー賞授賞式に22回出席している唯一の日本人、出雲あきら氏が今注目のお芝居を紹介。演劇評論家でありながら現役広告マンでもある出雲氏独自の視点で、ビギナーさんにもぴったりな1本を紹介します。
2016/8/25

【第47回】「ヨーロッパ企画」の大阪のおっさんを描く意欲作 「来てけつかるべき新世界」上演!

ヨーロッパ企画

「来てけつかるべき新世界」

京都を創作のベースに置きながら、全国へと意欲的に作品を発信し続けている人気劇団「ヨーロッパ企画」の最新作が今年もやってきます。

舞台はレトロ感あふれる大阪「新世界」

劇団の創設は1988年。すべての脚本・演出を務める上田誠らによって同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内に結成された演劇ユニットがベースです。劇団創設当時は、京都市内のキャンパスや小スペースで多くのシチュエーションコメディ作品を上演していました。

初期の傑作『サマータイムマシン・ブルース』は映画『踊る大走査線』シリーズで知られる本広克行監督の目に留まり、2005年に映画化されました。同年、この作品の再演をきっかけに全国ツアーを開始し、今ではチケットがとれないほどの人気劇団となりました。

ほぼ年に1回行われる本公演は、今回で35回目。ここ数年は、琵琶湖の南に位置する滋賀県栗東市でプレビュー公演を行った後、劇団の地元である京都を皮切りに東京、そして全国ツアーへと展開しています。昨年の公演では全国で1万2000人以上を動員し、毎年新しいファンが増え続けている大変勢いのある劇団です。

今回の新作の舞台は大阪・新世界。立ち飲み店や有名串かつ店、レトロな昭和ムードの喫茶店や将棋クラブが軒を連ね、そこに次々とおじさんたちが集まっていくという、歩くだけで大阪の下町風情にどっぷりと浸かれる街です。最近は外国人観光客も多く見かける観光名所ともなっています。

この新世界を舞台に、串かつを食べていたおっさんがドローンと戦ったり、将棋クラブのおっさんがロボットアームに王手飛車取りを迫られたり、ホログラフィの娘と言い合いしたりするSFの世界を描くとのこと。今からどんな作品が出来上がるのか楽しみです。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]トリーッキーな劇構造と非日常的な設定とのギャップ
1

ランキング RANKING

Instagram