「来てけつかるべき新世界」
京都を創作のベースに置きながら、全国へと意欲的に作品を発信し続けている人気劇団「ヨーロッパ企画」の最新作が今年もやってきます。
舞台はレトロ感あふれる大阪「新世界」
劇団の創設は1988年。すべての脚本・演出を務める上田誠らによって同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内に結成された演劇ユニットがベースです。劇団創設当時は、京都市内のキャンパスや小スペースで多くのシチュエーションコメディ作品を上演していました。
初期の傑作『サマータイムマシン・ブルース』は映画『踊る大走査線』シリーズで知られる本広克行監督の目に留まり、2005年に映画化されました。同年、この作品の再演をきっかけに全国ツアーを開始し、今ではチケットがとれないほどの人気劇団となりました。
ほぼ年に1回行われる本公演は、今回で35回目。ここ数年は、琵琶湖の南に位置する滋賀県栗東市でプレビュー公演を行った後、劇団の地元である京都を皮切りに東京、そして全国ツアーへと展開しています。昨年の公演では全国で1万2000人以上を動員し、毎年新しいファンが増え続けている大変勢いのある劇団です。
今回の新作の舞台は大阪・新世界。立ち飲み店や有名串かつ店、レトロな昭和ムードの喫茶店や将棋クラブが軒を連ね、そこに次々とおじさんたちが集まっていくという、歩くだけで大阪の下町風情にどっぷりと浸かれる街です。最近は外国人観光客も多く見かける観光名所ともなっています。
この新世界を舞台に、串かつを食べていたおっさんがドローンと戦ったり、将棋クラブのおっさんがロボットアームに王手飛車取りを迫られたり、ホログラフィの娘と言い合いしたりするSFの世界を描くとのこと。今からどんな作品が出来上がるのか楽しみです。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。