東京・渋谷センター街。シャンシャンシャ~ン、シャンシャンシャ~ンとベッタベタなクリスマスソングが流れ始めた。仕事終わりにくすぶっている女たちと「マジ、うざいわコレ」と毒づきながらトボトボ歩く。気晴らしに入った居酒屋でも、ワムやらマライアやらの王道クリスマスソングメドレーがかかっている。
「ここ、ごはん美味しいのに、音楽がダメだわ~」と再び毒気をはく。そう、クリスマスソングが流れ始めると、ワクワクせずにゲンナリする女にとっては、疲れた心と体にこの仕打ちは堪える。
ある番組で、いったいどのぐらいの人がアンチクリスマス派なのかのアンケートを取った。すると、回答者の3分の1がリア充で、クリスマスは恋人と過ごすという結果にスタッフ一同驚愕した。世の中にはイチャイチャクリスマス派がそんなにいたのだ。
第2次世界大戦の戦場にいる兵士たち「ホワイトクリスマスの故郷に帰りたい」
さて、クリスマスシーズンをより華やかにしてくれるクリスマスソングだが、調べてみると意外なことがわかる。当たり前だけれども、そもそもクリスマスはキリスト教の日なので、クリスマスソングは讃美歌だ。「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」「ひいらぎかざろう」が代表格である。教会で歌われていた讃美歌が、一般的にはクリスマスソングとして異教徒にも知られるようになった形だ。
一方で、最もカバーされているとか、売れたポップミュージックとも言われているのが「ホワイト・クリスマス」。♪I'm dreaming of a white Christmas~雪のクリスマスを夢みているの 懐かしい日々そのままに~♪という歌い出しのこの曲が制作されたのは、第2次世界大戦の真っただ中だった。
正義をふりかざし世界のあらゆる地で戦っていたアメリカ人兵士たちにとって、この曲は歌詞そのままに「なつかしい我が家、故郷のクリスマスを夢見る曲」となった。故郷に残された家族、恋人にとっては、戦地にいる愛する人のの安全、ひいては平和を祈る象徴的な歌になったのだという。
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