2014/9/ 3

大御所ナレーター涙出そうな心遣い...さんざん待たせたのに「大変なのは制作の皆さん」

番組のイメージを意外に大きく左右するのが、声。そう、ナレーションだ。最近、ある番組のナレーションが有名な女性タレントから男性になり、随分とイメージが変わった。視聴者の気持ちを代弁してくれていたようなナレーションから、淡々と客観的に出来事を伝えるだけのナレーションになった。別番組になったのかと思うほどだ。

そのぐらい、ナレーションは番組のイメージを左右する重要なセクションだ。だが......

さすがプロ!いざ収録は一発OK

「お待たせしましたあ」

ナレーターさんのスケジュール管理はすさまじい。番組制作中でナレーターさんにブースに入っていいただき収録するのはたいていが夜中だ。たとえば、「23時に編集スタジオに来て下さい」といった感じ。だが、そのまますぐ打ち合わせをして収録になる場合はほぼない。そこからひたすらお待ちいただく。まだVTRが繋がっていない。だからナレーションも書けない。

このナレーションが書けないというのは私たちの責任である。でも、VTRの尺を書き留めて、その時間に合わせて的確な文章を書くというのは、やはり少々時間をいただくことになる。次々にできあがってくるVTRに合わせて、ひたすら頭をフル回転させてパソコンに向き合って書いていく。

というような作業がナレーターさんがいらっしゃってからも続くわけで、最終的にブースに入るのは26時といった感じになる。ようやく「お待たせしましたあ」とナレーターさんに声を掛けさせていただく事になる。

ところが、そこはさすがプロ。そこまでお待ちいただいていざ収録となると、1時間番組でもナレーション録りは40分ぐらいで終わる。よほど言葉を噛んだり詰まったりしないかぎり、たいていが1発OKだ。

ひどいときは、19時に入っていただいているのに、まったく制作が進まずに24時過ぎに「やはりきょうはお引き取りいただいて、あすの朝7時にお願いします」なんてこともある。それも、周囲に飲食店も何にもない台場付近となると悲惨だ。ただやってきて、タクシーで送り返されるだけ。待って待って待って、この扱い。制作のワガママに根気よく付き合っていただくことが多い。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]帰りがけにはこちらの夜食の心配まで...
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