原宿は自由。好きな格好をしてもいいじゃないか
この日会場に集まった人々の中には、年齢性別を問わず「原宿kawaii」を追究したカラフルなスタイルの人々も多く、それはまるで、当時のホコ天の賑わいを彷彿させるかのようでした。1998年に歩行者天国は完全に廃止されましたが、原宿に集う人々は現在もオリジナルファッションの精神を受け継いでいるのです。
「原宿は自由。好きな格好をしてもいいじゃないか」という言葉には深く頷き、会場の空気が一体となる場面も。今やファッションにとどまらず、今年3月にはニューヨーク(アメリカ)でアーティストデビューを果たしたセバスチャンさん。「原宿kawaii」の先駆者の言葉は集まった人々の強い共感と新たな希望を与えてくれました。
「色には力がある。カラフルはエネルギーをもたらす。」と、カラフルでハッピーなファッションはもちろん、原宿という街に対する一人一人の思い入れこそが、「原宿」という街をつくり、やがて「原宿kawaii」と呼ばれる世界に誇れるカルチャーとなったのです。セバスチャンさんの呼びかけで行われた「第一回原宿ファッションウォーク」、その評判をもとに世界各国で開催されたファッションショー&ワークショップの貴重な映像も公開されました。
「kawaii」の原点となったショップ「6%DOKIDOKI」、「第一回原宿ファッションウォーク」、世界各国での活動について詳しくレポートします。
増田セバスチャン:アートディレクター/アーティスト
6%DOKIDOKIプロデューサー
1970年生まれ。演劇・現代美術の世界で活動した後、1995年に"Sensational Kawaii"がコンセプトのショップ「6%DOKIDOKI」を原宿にオープン。原宿kawaii文化をコンテクストとした活動を行っている。2009年より原宿文化を世界に発信するワールドツアー「Harajuku"Kawaii"Experience」を開催。
2011年にきゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」MVの美術で世界的に注目され、2013年には六本木ヒルズ「天空のクリスマス2013」でのクリスマスツリー『Melty go round TREE』を手がけ、2014年11月には初監督を務めるサンリオ映画「くるみ割り人形」が公開予定。
初の個展「Colorful Rebellion -Seventh Nightmare-」がニューヨークに続き、2015年1月までマイアミ「Young at Art Museum」にて開催中。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。