2014/6/ 6

映画「ポリス・ストーリー レジェンド」/還暦ジャッキーが魅せるアクションと重厚な演技 トップランナーがたどり着いた新境地

ジャッキー・チェン最新作「ポリス・ストーリー レジェンド」が、2014年6月6日公開される。大ヒットシリーズ最新作で通算6作目。中国・北京のバーで立てこもり事件が起き、ジャッキー演じる刑事が孤軍奮闘の末に解決する。

シリーズが始まったのは30年前

冬の北京。ベテラン刑事のジョン(ジャッキー・チェン)は、一人娘のミャオ(ジン・ティエン)に会うため、巨大なナイトクラブを訪れる。半年ぶりに再会した父と娘。ところが店内でトラブルが発生し、仲裁に入ったジョンは殴られ気を失う。目が覚めるとクラブの建物は封鎖され、父娘を含む十数人を人質に立てこもり事件が起きていた。

黒幕はミャオの恋人でクラブを経営するウー(リウ・イエ)だった。なぜジョン父娘が狙われたのか。ウーの過去に何があったのか。そこには長年に渡り、綿密に仕組まれた復讐計画が隠されていた──。

アジアが生んだスーパースター、ジャッキー・チェンも還暦を迎えた。30年前に始まった「ポリス・ストーリー」シリーズは、今も人気の代表作だ。ジャッキー演じる警官が、派手なアクションで敵を倒していく。香港で生まれた勧善懲悪の物語は、今回初めて中国に舞台を移した。

過去のシリーズと異なり、コミカルな演出は減り、重厚な心理劇の色彩が濃くなった。冒頭でジャッキーが涙をにじませ、銃口をこめかみにあてる。犯人とは密室で交渉が進む。真相につながる事実を小出しで見せつつ、息詰まるやり取りで観客を引っ張っていく。

香港からハリウッドへ、さらに中国へ。アジアのトップスターとして、常に第一線で戦ってきたジャッキー。アクションスターから演技派へ、事あるごとに「脱皮願望」を口にしているが、今回の作品もその延長線上にあるのだろう。

本人は「現場でアクションが増えた。だまされたよ」と嘆いたという。「動けるジャッキー」を望む観客の願いには、最大限に応えている。常に自分を高め、トップを走り続けながら、たどり着いた新境地だ。


「ポリス・ストーリー レジェンド」(2013年、中国)

監督:ディン・シェン
出演:ジャッキー・チェン、リウ・イエ、ジン・ティエン、グーリー・ナーザー、リュウ・ハイロン
2014年6月6日(金)、TOHOシネマズみゆき座ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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