子役の演技にも注目
スクルージ役の市村は今年で俳優生活40周年。近年、俳優としてますます脂がのってきた市村の演技は観客を感動の渦に巻き込むに違いありません。そして、もう一つ注目してほしいのは子役の演技。スクルージの会社の唯一の従業員クラケット(武田真治)の子供ティムは、足が不自由で余命いくばくもありません。彼の松葉杖をつきながらの歌は涙なしには聞けません。この子役の演技が作品の成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。
おなじみの心暖まるクリスマス・ストーリーをベースに歌やダンスが満載のミュージカル。市村扮するスクルージはクリスマスの日に奇跡を起こすことができるのか。この冬、是非、親しい友達と観に行ってほしい作品です。
ミュージカル『スクルージ』~クリスマス・キャロル~
原作:チャールズ・ディケンズ 脚本、作曲、作詞:レスリー・ブリカッス
演出:井上尊晶
出演:市村正親、武田真治、笹本玲奈、田代万里生、安崎求、愛原実花、今陽子、
今井清隆 ほか
2013年12月8日~17日、 赤坂ACTシアター、12月25日 KAAT神奈川芸術劇場にて。作品の詳細は公式サイトで。
出雲 あきら(いずも・あきら)
演劇評論家。ラジオや雑誌等で多くの演劇コーナーを担当。トニー賞授賞式に20年出席している唯一の日本人。広告会社電通に勤務する会社員でもある。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。