注目の脂肪吸引 熟練した技術がないと大変なことに
今ホットな「再生医療」についての発表もありました。「自家組織を利用したアンチエイジング」つまり自分の細胞を利用した治療で、たとえばお腹やお尻から脂肪吸引して胸に注入するような一部の手術もここに含まれています。
「自分の細胞だから拒絶反応がない」というメリットがあり、ここ10年ほど美容分野でも増えていますが一方では死亡事故も。発表者の山下理絵先生(湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長)は「細胞を取り出して使える形に抽出するなどの手法には、技術と熟練が必要」と熱を込めて指摘していました。
「だったら、メスも薬も注射も使わないで改善したい」――そんな「ワガママ」に答える発表もありました。「笑顔のエキスパート」こと、歯科衛生士の内田佳代さんによる口腔トレーニングです。
たるみのおもな原因は筋力低下。その測定方法や、実際の筋力アップエクササイズが紹介されました。実践した患者さんの「見た目」の変化は驚くもの。顔の左右のゆがみのあった患者さんが左右対称に近づくバランスが取れたり、笑顔が引きつり「怒ってるの?」とよく聞かれて悲しいという患者さんが実に穏やかな笑顔の主になったり。その効果はビックリするものでした。会場中には実際にエクササイズに真剣に取り組む先生方の姿もあり、医療以外の分野の情報も積極的に入手する姿が印象的でした。
「見た目の科学」は日進月歩。研究会の参加者は年々増加していて、会を取り仕切った市橋先生は「年々、多くの人が見た目に関心を持つようになっていることを実感した」と話していました。
発表の中には「日本人の脚はきれいになるのか?」というテーマも。こういったドキっとするような内容も学会にあがる時代なんですね。これについては、今後も連載で取り上げていきたいと思います。
今回お話をうかがったのは...市橋正光(いちはし まさみつ)先生
再生未来クリニック院長、神戸大学名誉教授
紫外線による皮膚の老化(光老化)をはじめ、肌の障害に関する研究分野で世界的に認められている。第33回日本皮膚科学会西部支部総会金賞、第14回清寺眞記念賞、インドネシア大学医学部名誉賞など受賞。若々しい肌の回復維持のための食事、サプリメントや運動などのアンチエイジングの専門家として一般にも知られている。
アンチエイジング医師団
「アンチエイジングに関する正確で、最新かつ有効な情報」を紹介・発信するためにアンチエイジング医学/医療の第一線に携わるドクターたちが結成。 放
送・出版などの媒体や講演会・イベント等を通じて、世の中に安全で正しいアンチエイジング情報を伝え、真の健康長寿に向き合っていく。 HPはhttp://www.doctors-anti-ageing.com
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。