2013/9/18

映画「甘い鞭」/壇蜜の取りつかれた演技に注目 医師とM嬢を演じ分けた体当たり作品

「私の奴隷になりなさい」(12)に続く、壇蜜の主演第2作「甘い蜜」。監督はエロスと暴力が絡み合う濃密な男女関係を描き、独自の作品世界を構築してきた石井隆。今をときめく壇蜜が監督の演出に体当たりで応え、迫真の演技を見せている。

血まみれバスローブで戻った17歳・奈緒子

32歳の奈緒子(壇蜜)は、レディースクリニックに勤務する不妊治療の専門医だ。だがそれはあくまで表の顔。会員制SMクラブのM嬢"セリカ"という裏の顔があった。

15年前。17歳の女子高生だった奈緒子(間宮夕貴)は、隣家の男に拉致監禁され、陵辱の限りを尽くされる。監禁1か月目。すきを突いて逃げ出した奈緒子は、血まみれのバスローブ姿で自宅に帰る。ところが、迎える母親(中島ひろ子)の顔に娘の無事を喜ぶ表情はなかった。まるで化け物を見るかのような冷たいまなざし。幸せだった家庭はあっけなく崩壊した――。

奈緒子はなぜSMクラブで働くようになったのか。何を求めてサディストたちの相手をしているのか。15年前の事件が関係しているのか。奈緒子自身にも答えが見つけられずにいる。映画は医師とM嬢を掛け持ちする現在の奈緒子と、監禁されていた15年前の奈緒子を交互に映しながら、その謎に迫っていく。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]やがて壇蜜の表情に狂気が帯び始め...
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