2013/9/ 8

映画「人類資金」完成報告/「M資金」めぐる陰謀劇 「異端になる映画を撮る自覚あった」

森山未來「英語でメッセージを伝えるプレッシャー」

また、M資金を管理する財団理事長・笹倉を演じた仲代は、「企業トップを演じるのは初めて」という。「親子3代に渡りM資金にまとわりつかれた役。非常に難しかった」と説明。佐藤の父・三國連太郎と共演し、ダム建設と汚職を描いた映画「金環蝕」(75)に触れ「昔は政治を徹底的に叩いた社会派映画が多かった。娯楽映画とも(ジャンルが)分かれていたが、『人類資金』はエンターテインメント的な部分を含め、社会派の意味を持っている作品」と話した。

一方、仲代とは「座頭市 THE LAST」(10)以来2度目の共作となる阪本監督は「必ず入ってもらいたかった。今は『華麗なる一族』(74)のように、日本のダークサイド(暗部)を描いた映画がなくなってきた。(撮影も)夜中の2時ごろまでやり、仲代さんの気力、体力を肌で感じた」と振り返った。

また、米ニューヨークの国連本部での撮影について、謎の男・石を演じた森山は「(会議場の)壇上に立った時、(座席数は)少ないなと思った(笑)。ニューヨークに住むエキストラや国連の人たちの前で、英語で大切なメッセージを伝えなければならない。一番のプレッシャーだった」と語った。

最後に阪本監督が「企画の当初から"異端"になる映画を撮る自覚があった。どう楽しんでもらうかにも苦心した。どう受け止められるか心配だが、どんと構えていこうと思っている」と話し、会見を締めくくった。


「人類資金」(2013年、日本)
監督:阪本順治
出演:佐藤浩市、香取慎吾、 森山未來、観月ありさ、石橋蓮司、豊川悦司、寺島進、三浦誠己、岸部一徳、オダギリジョー、ユ・ジテ、ビンセント・ギャロ、仲代達矢
2013年10月19日、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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