2013/8/19

映画「ザ・タワー 超高層ビル大火災」/CGと実写の区別がつかない大迫力!!  これが韓国映画の質の高さか

特撮映像で背景にはツボをつく人間ドラマが

今回の「ザ・タワー 超高層ビル大火災」は、「タワーリング・インフェルノ」に、消防士映画「バックドラフト」(91)が融合したテイストだ。監督は「光州5・18」(07)、「第7鉱区」(11)のキム・ジフン。作品の顔となる超高層ビル「タワースカイ」のほか、火災、放水、爆風などのCG映像は、韓国最高のVFX(視覚効果映像)スタジオ「DIGITAL idea」が製作した。

特撮映像で背景が表現される一方、群像劇で人間ドラマが描かれる。デホとハナ親子、同僚のユニ、消防隊長ヨンギ。火災で逃げ場を失った調理師インゴン、司祭と信者たち。老夫婦、ビル清掃員の脱出劇と、救出に駆けつける消防士たち。地位と権力で優先救出される議員夫婦や、脱出中に事故死する人など、往年のパニック映画の定石を踏まえ、ディザスター映画の定番エピソードが続く。

救出劇が続く中、片方のタワーがバランスを崩して傾き始め、ビル全体が倒壊の危機に見舞われる。ここで主人公は自己犠牲を選択する。「ポセイドン・アドベンチャー」に共通するエピソードが、作品に重みを与えた。CGと実写の区別がつかない大迫力の特撮に、観客のつぼを心得た人間ドラマ。韓国映画の質の高さを改めて感じさせられた。


「ザ・タワー 超高層ビル大火災」(2012年、韓国)
監督:キム・ジフン
出演:ソル・ギョング、ソン・イェジン、キム・サンギョン、キム・イングォン、ト・ジハン
2013年8月17日、シネマート新宿ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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