韓国の超高層複合施設「タワースカイ」。108階建てツインタワーに約5700人が住む巨大ビルだ。クリスマス・イブの夜。管理責任者のデホ(キム・サンギョン)は、男手一つで育てる娘ハナと過ごす約束だった。デホが思いを寄せる同僚のユニ(ソン・イェジン)は、ハナの相手をしながらデホの仕事が終わるのを待っている。消防士のカン・ヨンギ隊長(ソル・ギョング)は、妻へのケーキを用意した。誰もがささやかな幸福に包まれていた時、タワー上層階で大火災が発生する──。
世界パニック映画の流れをおさらい
1970年代、米ハリウッドで客船沈没映画「ポセイドン・アドベンチャー」(72)、「大地震」(74)などのパニック映画がブームとなった。中でも金字塔と呼ばれるのが「タワーリング・インフェルノ」(74)だ。スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、ウィリアム・ホールデン、フレッド・アステアら超豪華キャストで、ビル火災と消防士の活躍を活写。膨大な予算をかけて実写と特撮を融合した大作だった。その後「スター・ウォーズ」(77)の登場でSF映画ブームが到来。パニック映画人気は一旦終息する。
時は流れて90年代。CG(コンピューター・グラフィックス)技術が進歩し、自然災害を描くディザスター(災害)映画が続々製作された。ハリケーン災害の「ツイスター」(96)、火山災害の「ダンテズ・ピーク」(97)などが登場し、「タイタニック」(97)でブームは頂点を迎える。これを受け、韓国でも怪獣映画の「グエムル 漢江の怪物」(06)や、津波の恐怖を描いた「TSUNAMI ツナミ」(09)などが作られた。
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