自称・青年実業家のマイク(チャニング・テイタム)は、実は一番人気のストリップ・ダンサーだった。男たちが華やかに踊るクラブで、"マジック・マイク"と呼ばれ女性を熱狂させている。ある日マイクはアダム(アレックス・ベティファー)と知り合い、才能を感じてクラブに連れて行く。予想通りアダムは飛び入りで大胆に踊り、クラブの一員に迎えられる。
テイタムのダンスに米ショービスのレベルの高さを知る
「G.I.ジョー」(09)のテイタムが、自伝をもとに製作・主演。「オーシャンズ」シリーズのスティーブン・ソダーバーグが監督した青春ダンス映画。企業家を夢見ながらストリッパーとして日銭を稼ぐマイク。彼にスカウトされる新人アダム。2人の視点で物語は描かれる。
描き方は大胆だ。2人の私生活をドキュメンタリー風に描きながら、随所にストリップシーンを大々的に挿入。本場のショーをライブ的演出で見せる。ジョン・トラボルタのダンスが有名な青春ディスコ映画「サタデー・ナイト・フィーバー」(77)を彷彿とさせる構成だ。
マイクの人生は光と影。ダンサーとして人気を博す一方、オリジナル家具で起業する夢を持っている。しかし現実はそう甘くない。銀行に融資を断られ、クラブオーナーのダラス(マシュー・マコノヒー)はマイアミ出店を計画。共同経営者のマイクは内心穏やかでない。そんな時に出会ったアダムが、彼の人生計画を狂わせていく。
ショービジネス界で新入りのアダムは、表の華やかな世界を味わう一方、裏で薬物売買に手を染めてしまう。一方、マイクはアダムの姉ブルック(コディ・ホーン)にひかれていく。自分とまったく違う世界で生きる真面目なブルックと出会い、マイクに変化が表れる。ある日、アダムはマイクと向かった仕事先で薬を紛失。組織に大損害を与えてしまう──。
ストリッパー経験のあるテイタムのダンスは、米ショービジネス界のレベルの高さを感じる。ライブ映像のような圧巻のステージに目がくぎ付け。ドラマとライブを融合したソダーバーグ監督の多面的演出、マコノヒーの一癖ある演技にも注目だ。
「マジック・マイク」(2012年、米国)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:チャニング・テイタム、アレックス・ペティファー、マシュー・マコノヒー、コディ・ホーン、オリビア・マン
2013年8月3日、シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。