臓器売買をめぐる誘拐殺人がテーマの韓国映画「共謀者」(2013年6月1日公開)。韓国で社会問題化する犯罪の実態を、リアルな描写と緻密な構成で描くサスペンスだ。俳優のイム・チャンジョン、チェ・ダニエル、キム・ホンソン監督がこのほど来日し、主演2人がインタビューに応えた。
「監督の直筆の手紙がきっかけチェ・ダニエル」
舞台は中国と韓国を結ぶ国際フェリー。旅行中のサンホ(チェ・ダニエル)の妻が、突然船上で姿を消した。妻はヨンギュ(イム・チャンジョン)ら闇組織が誘拐。サンホが妻を探すうち、恐るべき臓器売買の実態が明らかになる──。練り上げられた脚本、過不足ない情景描写、綿密に計算された構成。終盤のどんでん返しも鮮やかな作品だ。
見どころの一つが主演2人のイメージチェンジ。ラブコメドラマやバラエティー番組出演など、コミカルで明るいイメージが強かったイム・チャンジョン。今回は犯罪者になり切り、影のある見事な演技を見せている。「シリアスな役を避けていたわけではない。俳優は市民のために活動するのが仕事。明るい作品への出演依頼がもともと多く、出続けるうちイメージができた。今回は自分がかっこよく見えて満足」と笑顔を見せた。
一方のチェ・ダニエルは、ドラマ「明日に向かってハイキック」(09)、映画「シラノ恋愛操作団」(10)など、軽妙で柔軟な演技を見せる若手の注目株。今回の出演は「監督から直筆の手紙をもらった」ことがきっかけだった。「作品準備の過程から起用したい理由まで、事細かに書かれていた。ここまで自分のことを考えてくれているなら、きっといい作品になるだろうと思った」そうだ。
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