迫力ある闘鶏シーンも特筆に値しよう。つま先に付けられた剣による激しいファイトの様子、観客の反応、表情、たたずまいがリアルで、ほとんどドキュメンタリーといってよい。撮影はフランソワ・トリュフォーやエリック・ロメール作品を手がけた名匠、ネストール・アルメンドロス。恵まれない条件のもと、ここまで鮮烈で生々しい映像を撮り上げた手腕はさすがである。
フランクの恋人のドディには「断絶」に出演したローリー・バード。また弟夫婦を「避暑地の出来事」(59)などで一世を風靡した往年の青春スター、トロイ・ドナヒューと、「アンネの日記」(59)で人気を博したミリー・パーキンスが演じている。
なお、ヘルマンが再起をかけて撮った「コックファイター」は興行的に惨敗。結局は「断絶」の二の舞となった。しかし、オーソン・ウェルズの例を持ち出すまでもなく、興行成績の不振と作品の価値とは無関係だ。今回は、ニュープリント版での日本初公開。映画マニアなら見逃すべきではない。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。
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