ここ数年、ショップでよく見かける、上下別々の素材がつながっているワンピース。これまでワンピースというと、上半身と下半身が同じ布で一体感があるのが常でした。でも、4~5年くらい前にセレクトショップで、デニムのブラウスとツイードのスカートがつながったワンピースを見かけて、斬新な可愛いさにひと目惚れ。しかしそのワンピは3万円位しました。ブラウスとスカートの値段を足した価格だと思うと妥当かもしれませんが、ワンピースにしてはお高いです。しばらく悩んだのですが、結局見送ってしまいました。
しかし最近はこの手のデザインが増えているので価格も1万円台のものがあったり、買いやすくなったりしています。このデザイン、何が正式名称か調べたら、重ね着風のデザインはレイヤードワンピース、上下別々のデザインはドッキングワンピースと言ったりするらしいです。ドッキングワンピースというダサい名称にハッとしました。
そもそも、上下別々の素材のワンピースというのは、コーディネイトでラクしている部分があります。ふだん自分だったら思い付かないような大胆な組み合わせも、ワンピースならさらっと着ることができます。しかし若干だまし絵みたいなチープ感と、常に上下同じ組み合わせなので飽きがくるという難点が。
今週の粗品プレゼント
BEAMSで購入した、MAR ENTERPRISEというブランドです。サイズはフリーです
私が以前購入した、ドッキングワンピ(観念してこの名称を使います)も、スウェット生地のストライプのトップスと化学繊維の光沢感あるスカート部分の組み合わせが、ゆるくておしゃれな感じで、活用していました。でも、私は背が低いのでスカートを短めにはいてバランスを取ったりするのですが、このドッキングワンピは上下つながっているのでそれが不可能でした。固定化してしまっているので微調整できず、バランスを取るのが難しいドッキングワンピ。私には似合わないので、よろしかったら身長160センチ以上の方にさしあげます。
ドッキングワンピの利点についてしばらく考えたのですが、腰回りかモッサリしないので、あせも防止にはなるかもしれません。結局おしゃれとはほど遠い感じですみません......。
辛酸なめ子
1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。