2012/7/29

契約書が存在しないテレビ制作現場の不思議―口頭了承でトラブル頻発

放送作家のギャラ金額も放送後の事後了承

とまぁこんな話をしているが、私も火の粉が降りかかったことがある。番組は生き物、当初予定していたものとは違ってくることが少なくない。制作途中ではあるが、まだ間に合うかもしれないと、スタッフと覚書を交わすかかわさないかの相談の場がもたれた。あの時は全員顔が引きつり、普段は温厚なプロデューサーも言葉がきつかったことを思い出す。

番組で事前に放送作家がギャラの契約を交わしたという話も聞いたことがない。たいていが放送後に番組担当デスクかプロデューサーから、こんな電話がかかってくる。

「今回は大変申し訳ないんですが、これぐらいでいかがでしょうかあ。ホ~ント申し訳ありません!ご存知でしょうが、いろいろと番組でもロケやら再現やらでお金がかかりまして、××円でいかがでしょう」

事前契約したとしたら、金額はどうなっていたのかわからない。この仕事は業績を上げると、プロデューサーやディレクターから「先生、先生」と言われるけれど、この扱いが全てを物語っている。腹の中では、契約するに足らないと思われているのかしら。

モジョっこ

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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