2012/5/12

「がんばれニッポン」が使えない!?面倒な「五輪商標」に頭痛いテレビ現場

テーマソングを歌う歌手やキャスターが続々と発表されている。まだまだと思っていたけれど、気がつけばあと3か月。「がんばれ ニッポン」と世の中が熱狂的な歓声に包まれる夏がやってくる。

ロンドン五輪に向けて放送各局で準備が進み始めた。放送計画も発表され、五輪には到底かなわない番組制作陣は、レギュラー番組がいつ休止になるのか確認中だ。ところで今回、某局でテーマソングを歌う歌手が発表されたのは3月下旬。しかし、まだ正式発表していない局も多い。どの局も時代を象徴するような人気歌手のオンパレードだろうけれど、事務所との関係性がみえかくれしているような気がして面白い。これから続々と発表されるであろうテーマソングを歌う歌手。ところがその選考が難航することも多いらしい。

テーマ曲作りもこれまた難題

以前、ある放送局でスポーツ局に在籍している知人がぼやいていた。人気スポーツの世界選手権を放送したとき、テーマ曲が放送直前までなかなか決まらなかったというのだ。現在はその曲があまりにも有名になり、誰もが知っている名曲。しかしその誕生はどうやら難産だったらしい。まず歌手がなかなか決まらない。上層部と30代社員たちの間で意見が全く食い違った。よくあることだが、上層部が推してくるのは人気絶頂のグループ、かたや30代社員たちが推したのは世の中全体の認知度はそこそこだが、若者には高い音楽性で人気を博しているグループ。どちらにするか悩みあぐねた末、軍配が上がったのは30代社員たちだった。

しかし歌手が決まり、いよいよ楽曲制作というところで、また難題。アーティストサイドから提案されたものと、局側がイメージしていたものが少々離れ過ぎていた。もっと刺激的なメロディーとリズムが欲しい、歌詞に躍動感が足りないなど、すったもんだがあったとか。現場にいた知人は「本当に戦争みたいな毎日だったよ。でも、よくあの状況で、あんなすごい曲ができ上がったと思う。ずっと耳に残るし、見ている者のモチベーションまで上がる。短期間での制作でかなり先方にも迷惑をかけてしまったけれど、あのアーティストがそこまでやってくれたのもうれしかった。仕事をお願いして本当によかったと思う」と、猛烈な勢いで仕事をしていた当時を懐かしむかのように遠い目をして話していた。そうして誕生したテーマ曲が報道発表されたのは、世界選手権のわずか2週間ほど前だったと聞いている。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]放送局によっては「使用禁止」で独自キャッチフレーズ
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