2012/2/20

黒澤明「伝説」思い出させた女優とプロデューサーとの喧々諤々

とりつかれたように芝居に没頭していく大人たち

俳優や劇団員が長時間喧々諤々芝居について語り合うのは、昔から変わらない。なぜそこまで語り合い、時にケンカにまで発展するのか、これまでわからなかった。けれど、その意味に少しだけ触れた気がする出来事だった。

お金儲けのためではない、やればやるほど貧乏になっていく、だけど芝居はやめられない。舞台に立ち続けたい。芝居のために人生を変え、財産を使い果たし、それは家庭を壊すこともしばしば。でも、何かとりつかれたように芝居に没頭していく大人たち。

ひるがえって、それほど自分は仕事に打ちこんだことってあったけ。恥ずかしながら、すぐさまイエスと答えられない自分がいる。頑張ってやっていればいいというのとは違う。自分を捧げてまで取り組んでいるか。商売とはまた違う次元の心意気をどれだけ持てるか。仕事とはちょっと違うけれど、なにかそこまで夢中になっているものがあるか。何度も何度も同じ台詞を言い続ける女優と、ダメ出しをしているプロデューサーを横目で見ながら、トロンとした頭で少し反省してしまった夜だった。

モジョっこ

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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