粉をふいてしまう、赤みがあるなど、女性を悩ませる「敏感肌」。なかでも、最近は見た目はきれいなのに化粧水がしみるなど、なぜか刺激を感じてしまう人が多いという。
「カネボウ化粧品」のスキンケア研究所情報開発グループの主任研究員で医学博士の横田朋宏さんは、このような症状について、「見た目からは分からない症状のため、本人も深刻にならないことが多いですが、放っておくと思わぬ肌トラブルの原因になります」と、注意を促す。
誰にでも起こりうる「知覚過敏肌」の正体
入社以来、約1万人の女性の素肌を見つめてきた「カネボウ化粧品」スキンケア研究所情報開発グループの主任研究員で医学博士の横田朋宏さん
そもそも「敏感肌」とは、ストレスや体調、乾燥などの外的要因が原因で、肌のコンディションが不安定になること。ストレスで肌が荒れてしまう、冬場にカサカサするというというのも、分かりやすい敏感肌の症状の一つだ。
この敏感肌には3つの症状がある。1つ目の「表面のバリアが損傷してカサついてしまう」症状。2つ目の「肌内部に炎症が起きて赤くなってしまう」という症状。そして、最新の研究で「見かけは健康でも、微弱炎症が起きて刺激を感じてしまう」という3つ目の症状があることが分かった。さらに、これら3つの症状は刺激を受けやすい「知覚過敏」の状態にあることが解明された。つまり、「敏感肌」は「知覚過敏肌」だったのだ。
横田さんは、「知覚過敏肌」についてこう説明する。
「『知覚過敏肌』は、本来肌の奥にある神経線維が角層近くまで伸びてきている状態のことです。これは、ストレスなどの環境要因で、誰でもなりうる症状です」
知覚過敏肌になると刺激を感じるため、化粧水すらつけたくなくなる。その結果肌内部のコンディションが悪化したり、肌のバリア機能が低下して刺激を受けやすくなったりするそうだ。
この、一見何のトラブルもないような肌にも潜む「美の大敵」。立ち向かうには、どうしたらいいのだろうか?
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。