2011/7/29

小山薫堂さん、生産者と消費者つなぐ「マルシェの力」語る

2009年9月、農林水産省の補助事業としてスタートした「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」。青山や六本木などの大都市で、野菜や果物、加工食品を生産者が消費者に直接販売できる市場「マルシェ」を運営してきました。発足当初は日本に「マルシェ」がほとんどなく、認知度もほぼゼロという状態でしたが、「生産者の所得向上」と「都市生活者の農林水産業への理解促進」を目標に地道な活動を続け、今では日本国内8都市20会場で、年間延べ500万人が来場し、約10億円を売り上げる市場に成長しています。

その「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」が、「特定非営利活動法人 都市型市場を通じた未来づくりを考える全国会議」を設立。2011年7月29日、アークヒルズ カラヤン広場で記者発表会を行いました。

「マルシェはいろいろなパワーを持っている」と語る小山薫堂さん
「マルシェはいろいろなパワーを持っている」と語る小山薫堂さん

発表会には理事長の川島省吾さん、理事であり、宮城県仙台市でマルシェを運営する針生信夫さん、農林水産大臣政務官の田名部匡代さん、マルシェ・ジャポン・プロジェクトの旗振り役である小山薫堂さんが登場。

山形県の東北芸術工科大学で教授も務めている小山さんは、一度現地で学生にマルシェを運営させたことがあったそうです。生産者の子どもも運営や販売に参加し、「初めて(生産者である)お父さんのことをかっこいいと思った」と感想を語ったそうで、生産者と消費者だけでなく、「生産者の家族の絆も強まる力がマルシェにはあると感じた」というエピソードを明かしていました。

また、東日本大震災の際、ちょうど3月11日の地震が起こった時にマルシェを開いていたという針生さん。地震の翌日にもマルシェを開き、被災地の貴重な食料調達源となったそうです。そのほか各地のマルシェ運営団体の協力もあり、47か所で24000食の炊き出しや、支援物資の調達を実現したと語っていました。

同法人は、3年以内に100か所でのマルシェ開催を目指すとのこと。ほかの運営団体とも協力してさらにマルシェの輪を広げていき、ゆくゆくはパリやニューヨークで、日本の豊かな食文化を世界にPRするマルシェを開催したいとしています。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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