(c)2015 TANGERINE FILMS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
米ロサンゼルスのマイノリティー(少数派)の日常を追った映画「タンジェリン」の出演俳優ミッキー・オヘイガン、共同脚本・製作を務めたクリス・バーゴッチがこのほど来日し、東京・渋谷で舞台あいさつした。
ロスの裏通りを舞台に、性別を男か女かにとらわれないトランスジェンダーの二人が過ごす波乱の1日を、リアルにユーモラスに描いた作品。スマートフォン「iPhone」を使い、リアルな映像を目指している。観客の大きな拍手で迎えられたバーゴッチは「日本でみてもらえてとてもうれしい。製作中は『この映画を見てくれる人はいるのだろうか』と思いながら作った。夢がかなったよう」と笑顔で語った。
初日から財布盗まれる
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撮影を行った場所は、ロスの中でも治安が悪い地域。バーゴッチは撮影初日、運転免許証が入った財布を盗まれてしまったという。「現場ではいろいろな仕事をしていたので、車が動かせなくなり大変だった」と振り返った。
しかし、iPhoneでの身軽な撮影は順調に進んだ様子。「学生が映画を撮っていると思われ、誰も僕らの存在をあまり気にせず通り過ぎて行った。街を半年歩き回る中、主演の2人に出会った。コンビぶりが素晴らしかったので出演を依頼した」と説明。出演者が文字通り、街中で発見された経緯を話した。
一方、iPhoneでの撮影を初めて体験したオヘイガン。「機材のセッティグ準備に時間がかからず、すぐ撮り始められる。演技する上で助かった。クローズアップでもカメラの存在を忘れられた。スマホは俳優を追ってくれるので、動きの制限なく思い切りできた。みなぎるエネルギーを画面から感じられると思う」と話していた。
「タンジェリン」(2015年、米国)
監督:ショーン・ベイカー
出演:キタナ・キキ・ロドリゲス、マイヤ・テイラー、カレン・カラグリアン、ミッキー・オヘイガン、アラ・トゥマニアン、ジェームズ・ランソン
2017年1月28日(土)、渋谷シアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。